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いざ決戦!本日11月8日「行政書士試験」実施~「合格」に直結する「試験当日」の過ごし方

竹内豊行政書士
あさって11月8日に5万4千人が「行政書士試験」に挑みます。(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

今日11月8日(日)は、行政書士試験です。一般財団法人行政書士試験研究センターの発表では、54,847名(前年比2,461名増)がエントリーしています。

そこで、受験生にエールを込めて、合格を勝ち取るための、試験当日の過ごし方についてお話したいと思います。

当日の心構え~今ある力を出し尽す

とにかく今までやってきた自分の力を全て出し切ることに意識を集中しましょう。これまでに勉強してきた成果を本番で素直に出せばいいのです。逆に言うと、自分が今までやってきた以上のことは、当日できることはないのです。だから、過剰に不安に思う必要はありません。当日することは「今ある力を出し尽す」、それだけです。

試験時間までの過ごし方~試験会場に早めに着き、持ち物は最低限に絞る。

ここまできたら焦っても仕方ありません。「なるようにしかならない」という、いい意味での開き直りも大切です。

試験会場には早めに着きましょう。電車の遅れなど、想定外のトラブルがないとも限りません。

早めに会場に着いたら、気になる点に集中して最終確認をしましょう。試験会場に何冊もテキストを持ち込んでも、かえって不安をかき立てるだけです。当日持ち込むものは最低限のものに絞った方が迷う必要がなくなるので効果的です。

試験時の心構え~深呼吸をして平常心を保つ

試験が始まる前はリラックスすることが大切です。リラックスできれば自分の持っている力を十分に発揮できるからです。いかにリラックスして平常心で試験に臨めるかが、合否の分かれ目といってもいいでしょう。

緊張したら深呼吸をするのが効果的です。気が張っているときは呼吸が浅くなっているものです。

呼吸に意識を向けて、鼻か口からスーッと息を吐き切ってみましょう。息を深く吐くと、自然に息を吸い込むことができます。呼吸にだけ意識を向けてそれを何度か繰り返していると、自然に気分が落ち着いてきます。

本番開始の合図と共に全力を出せるように、それまではリラックスした精神状態を保っておきましょう。

不測の事態を受け入れる~「想定外」が起きるのが本番

試験を受けるにあたって心構えとして覚えておいてほしいことがあります。それは「不測の事態は起きる」ということです。

試験本番になって、急に尿意を催したり、腹痛になったりするかもしれません。また、出題傾向がガラッと変わって、過去問にはなかったようなタイプの問題が出されたり、出題形式が変わったり、急に問題の難易度があがっていることもあるかもしれません。

ただ、そんな不測の事態が起こったとしても、それを慌てず受け入れるという心の準備をしておいてください。

試験本番では、それまでありえなかったようなことが起こるのはむしろ普通のことです。普段どおりにやりたいと思っていても普段どおりにいかないのが本番です。

予想外の事態が起こったからといって焦ってはいけません。

例えば、難しい問題が出題された場合、ほかの受験生も同じように難しいと思っている可能性が高いのです。

だから、過度に焦る必要はないのです。落ち着いて、できるところから解いていけばいいし、わからない問題があったとしても、わからないなりに食らいついていけばいいのです。

そういうときこそ、前述のように深呼吸して平常心に戻り、普段どおりに問題を解く作業を続けていきましょう。

では、お読み頂いた方が試験当日に力を出し切って合格を勝ち取ることを心よりお祈りいたします。幸運をお祈りします!

行政書士試験は、やるべきことをきちんとやれば合格できる資格です。この記事をご覧になって行政書士に興味を持たれた方は、ぜひ来年チャレンジしてみてはどうでしょうか。行政書士については、案外役立つ「行政書士」~「コロナ支援」にも対応、全国「無料相談」会開催中日本行政書士会連合会ホームページをご覧ください。

参考・引用『99日で受かる!行政書士最短合格術』(遠田誠貴、税務経理協会)

【追記】「開業」をお考えの方へ

本日の試験お疲れ様でした。力は十分発揮できたでしょうか。合格見込みで開業をお考えの方に一つアドバイスがあります。行政書士はその歴史と行政書士法の内容からして、「分野不特定の法律専門職」として位置付けることができます。そのため、よく受験予備校が言うように「業務範囲が広い」というメリットがあります。しかし、「何でもできるは何にもできない」のが世の常です。開業する時点で「これが自分の専門分野です」とハッキリいえるものがないと、受任することは困難です。また、運よく受任できたとしても、「業務遅滞」が原因で依頼者とトラブルになり、法に基づき懲戒処分をうけてしまうおそれもあります。開業する場合は、しっかりとした準備を行ってからすることをお勧めします。

行政書士

1965年東京生まれ。中央大学法学部卒業後、西武百貨店入社。2001年行政書士登録。専門は遺言作成と相続手続。著書に『[穴埋め式]遺言書かんたん作成術』(日本実業出版社)『行政書士のための遺言・相続実務家養成講座』(税務経理協会)等。家族法は結婚、離婚、親子、相続、遺言など、個人と家族に係わる法律を対象としている。家族法を知れば人生の様々な場面で待ち受けている“落し穴”を回避できる。また、たとえ落ちてしまっても、深みにはまらずに這い上がることができる。この連載では実務経験や身近な話題を通して、“落し穴”に陥ることなく人生を乗り切る家族法の知識を、予防法務の観点に立って紹介する。

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