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大坂なおみが快進撃! 2回戦で第14シードを破ってマイアミで初のベスト32!!

神仁司ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト
マイアミで初のベスト32入りに、ダブルピースをして喜ぶ大坂(写真/神 仁司)
マイアミで初のベスト32入りに、ダブルピースをして喜ぶ大坂(写真/神 仁司)

大坂なおみの快進撃が止まらない――。

ワイルドカード(大会推薦枠)で初出場したマイアミオープンの2回戦で、大坂(WTAランキング104位、3月21日付け、以下同)は、第14シードのサラ・エラーニ(18位、イタリア)を、6-1、6-3、わずか1時間5分で破って、初のベスト32入りを決めた。日本女子の3回戦進出は、2015年の奈良くるみに続くものだ。

エラーニは、2011年ローランギャロス(全仏)で準優勝し、13年5月に最高5位を記録した実力者だが、大坂が、強力なサーブやフォアハンドストロークで圧倒し、第1セット第2ゲームから6ゲーム連取でセットを先取した。驚くべきことに、第1セットの大坂は、ファーストサーブもセカンドサーブも、どちらもポイント獲得率が100%だった。

大坂は、蒸し暑く、海風が吹く中で、自分には何ができるか考えながらプレーをした。トップスピンを使ったり、アグレッシブにステップインしてストロークを打ったりした。

一方、粘り強いエラーニは、第2セット第7ゲームで、大坂のサーブをブレークして意地を見せる。勝利が近づいていた大坂は、自らのミスに怒って、ラケットでテニスコートを叩いた。ここで大坂は、オンコートコーチングをリクエストして、父親でありコーチであるレオナルドさんのアドバイスをあおいだ。

第8ゲームでは、ポジティブにいようとした大坂が、バックのダウンザラインやフォアの逆クロスへのストロークウィナーを決めて、再びエラーニのサーブをブレークして勝負を決めた。

「顔には出ないけど、嬉しかった」と2回戦の勝利を喜んだ大坂だが、今回のマイアミでの勝利は、キャリアベストではないと語る。

「そんなことはありません。今のところ(今年の)オーストラリアンオープン(初出場でベスト32)が、自分にとっては一番大きな勝利です」

世界18位に勝っても、大きな勝利だと浮足立つことはない頼もしい18歳だ。レオナルドさんは、「いい試合でしたね。よくやりました」と娘の快挙を称え、応援に来ていた母親の環(たまき)さんも、「頑張ったと思います。ここまでよく来たなと。えらいです」とほめた。

3回戦で大坂は、 ティメア・バボス(49位、ハンガリー、22歳)と対戦する。

「もちろんプレッシャーはたくさんあるかもしれないけど、できるだけ楽しみたいし、プレッシャーも感じないようにしたい。(自分の家から近い)マイアミだしね(笑)」

こう語る大坂が巻き起こすマイアミからの“大坂旋風”は、まだまだ大きくなりそうだ。

ITWA国際テニスライター協会メンバー、フォトジャーナリスト

1969年2月15日生まれ。東京都出身。明治大学商学部卒業。キヤノン販売(現キヤノンMJ)勤務後、テニス専門誌記者を経てフリーランスに。グランドスラムをはじめ、数々のテニス国際大会を取材。錦織圭や伊達公子や松岡修造ら、多数のテニス選手へのインタビュー取材をした。切れ味鋭い記事を執筆すると同時に、写真も撮影する。ラジオでは、スポーツコメンテーターも務める。ITWA国際テニスライター協会メンバー、国際テニスの殿堂の審査員。著書、「錦織圭 15-0」(実業之日本社)や「STEP~森田あゆみ、トップへの階段~」(出版芸術社)。盛田正明氏との共著、「人の力を活かすリーダーシップ」(ワン・パブリッシング)

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