日本テニス界で、鉄人と言えば、あなただったら誰を思い浮かべますか?
日本テニス界で、鉄人と言えば、あなただったら誰を思い浮かべるだろうか――。
私は、杉山愛さんが真っ先に思い浮かぶ。
杉山さんは、17年間の現役生活で、世界ランキングではシングルス最高8位、ダブルス最高1位になり、世界4大メジャーであるグランドスラムではダブルスで4回優勝した(女子ダブルス3回、ミックスダブルス1回)。さらに、グランドスラムには63回出場(連続出場62回は史上2位)を果たした。また、女子国別対抗戦フェドカップ(当時)では、日本代表として何度もプレーして、個人戦でも団体戦でも、世界屈指の鉄人ともいえる足跡を残した。
現在は、ITF(国際テニス連盟)主催の女子テニス国別対抗戦ビリー ジーン・キングカップ(以下BJKカップ)の日本代表監督に2023年シーズンから就任している。
そして、今、“鉄人”杉山さんの日本代表での記録に、肩を並べようとする選手がいる。青山修子(WTAダブルスランキング20位、4月8日付)だ。
現在36歳の青山は、2010年1月にプロへ転向。ダブルス自己最高4位を記録し、WTAツアーでのダブルス優勝は19回、年間上位8組しか出場できないWTAファイナルズのダブルスには2回出場した。そして、2023年オーストラリアンオープンの女子ダブルスでは、柴原瑛菜と組んで準優勝を果たした。
さらに、日本代表でも長年にわたって実績を残し、マッチ成績は24勝4敗(単複含めて日本史上3位)、ダブルスでのマッチ勝利数では日本選手の中で歴代1位だ。さらに、出場回数は28回(日本史上2位、1位は沢松和子さんの30回、杉山愛さんは4位で26回)となっている。
そんな青山を、ダブルスパートナーを務める柴原(WTAダブルスランキング21位)や、引退後BJKカップ日本代表コーチをしている奈良くるみさんは、親しみを込めて“あおさん”と呼んでいる。
4年2ヶ月ぶりに日本代表へ復帰した大坂なおみ(WTAランキング193位、4月8日付)は、自分より10歳上のベテランである青山にリスペクトを込めて、「修子のプレーを本当に見るのが楽しい。修子と瑛菜のペアを見るのがとても好き」と笑顔で伝えている。
4月12~13日には、東京・有明コロシアムで、BJKカップ・ファイナルズ予選「日本vs.カザフスタン」が開催され、杉山監督は、今回も青山を日本代表に選んでいる。
BJKカップでは、ダブルスは第5試合に組まれており、2勝2敗になった場合、勝負を決する重要な試合になる。もし青山が、ダブルスで勝利すると、日本代表でのマッチ25勝目となり、杉山さんが残したマッチ勝利数(25勝22敗)と並び日本史上2位タイの記録となる(最多マッチ勝利は沢松和子さんの44勝10敗)。
大会初日には、平日にもかかわらず4029人の観客が有明コロシアムに訪れ、日本代表チームを応援で後押しして、日比野菜緒(WTAランキング79位)と大坂が、それぞれ勝利し日本は2勝を挙げて、トップ12ヶ国で構成されるBJKカップ・ファイナルズ(11月にスペイン・セビーリャで開催)進出まであと1勝となった。
まずは、日本の勝利が、杉山監督と選手を含めたチーム全員の目標となるが、同時に、青山が、杉山さんの記録に並ぶかどうかも注目すると、よりテニス観戦を楽しめるかもしれないので、注目してみてほしい。