【仙台市宮城野区】去りゆく夏を史跡の中で感じた日。幾度となく争いがあった古戦場跡付近にあるお城の跡
仙台市宮城野区・若林区を愛する号外NETライターの長谷川誠です。
まだまだ蒸し暑かったり、次々と訪れる台風に備えたり。暦の上ではすでに「秋」ではありますが「夏っぽいアレやコレや」が続いています。2024年夏、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
個人的にですが、台風・ゲリラ豪雨・雷雨、本当に勘弁していただきたい。つい先日も、宮城県北部を車を運転中にゲリラ豪雨に遭遇。雪ならばまだしも、雨で目の前がホワイトアウトするなんて…。周囲に慌てて暴走してしまう車がいかなったから何とか無事に帰宅できたものの、ちょっとしたボタンの掛け違いで大事故に繋がる可能性があったかもしれないなぁと思うと、自然災害の恐ろしさを改めて感じた次第です。油断ならない2024年夏。
ということで今回ご紹介するのは、そんな2024年夏の終わりをしみじみと感じることができた「史跡」です。今現在は大自然に囲まれている、幾度となく争いがあった古戦場跡にひっそりとある隠れ家のような「史跡」です。
その史跡があるのは利府町と宮城野区岩切の境目にある県民の森の名で親しまれている「青少年の森」近く。青麻街道沿いにある高森山の名でも知られている場所です。
こちらがその史跡の入口。しっかりと史跡であることを示す「史跡 岩切城跡」という碑がたっています。
青少年の森が近いということもあってか、目の前にはうっそうとした森。耳に入ってくるのは蝉時雨。ひぐらしの声がどこか切なさを感じさせてくれる雰囲気です。
ちなみに、こちらの史跡は仙台市公式HPによると
奥州藤原氏の滅亡後、源頼朝によって陸奥国の留守職に任命された伊沢将監家景を祖とする留守氏の居城でした。この一帯は幾度となく争いがあった古戦場跡でもあり、土塁や堀切などの遺構も残っています。<仙台市公式HP:岩切城跡(高森山公園)PDFリンク>
時は「いいくに(1192)」「いいはこ(1185)」の鎌倉幕府を創設した源頼朝の時代までさかのぼり。頼朝が留守職を任命した一族である留守氏の居城が岩切城だったんですね。現在アニメ化もされて人気となってる、北条時行を主人公にした「逃げ上手の若君」やNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」あたりの時代でしょうか。そう思うと、何やら急に身近に感じられますな。
さらに史跡看板を読むと、七北田川の水運などにも恵まれて栄えていましたが、正平六年(1351年)留守氏が合戦に敗れたことにより落城したとのこと。古戦場跡地ではありますが、現在は自然豊かな癒しのスポットとして人気となっているようです。
早速、テクテクと史跡の散策を開始です!
相変わらずのセミさん達の大合唱をBGMに歩を進めると、おぉ…。体を包んでくるのは、まさに「草いきれ(草のしげみから発するむっとする熱気)」。タイミングもよかったのか、この日はほぼワタクシ一人の貸し切り状態。子供時代、こっそりと自分だけの秘密基地を探しに冒険に出たあの日の事を思い出すかのよう。
「中年おじさん、真夏の大冒険」。勝手に脳内にそんなテロップが差し込まれてきます…。テクテク。
テクテク。おや? これって秘密の通路では? ドキドキしながらのぼってみると…。
無念、行き止まりでした!
でも、こういうちょっとしたワクワクがあるのは、本当に冒険のようです(注意:公園の道ではありますが山道となっていますので、わき道等の確認は十分にご注意下さい)。
そして、じんわりと汗ばみながらのぼることしばし。ついに…
本丸跡に到着しました! 絶景かな、絶景かな。きっと桜の季節も見事な眺めなんでしょうねぇ。
青い空、白い雲、遠くにうっすらと見えるのは岩切の新幹線車両基地。うっすらと聞こえるひぐらしの声と共にこの景色を眺めていると「夏の終わり」「去りゆく夏」をしんみりと感じてしまいました。気になった方は是非足を運んでみて下さいね。
●岩切城跡●
〒983-0821 宮城県仙台市宮城野区岩切入山