海外旅行では「両替」を「いくら」すべき? 渡航先での現金不足時の非常手段も知っておこう
GWで海外旅行中の人、これから出発する人も多いでしょう。夏休みの予定を立て始めている人もいるかもしれません。
海外旅行に行く際に、現地通貨への両替はいくらすべきなのでしょうか?国内で多めに現金両替をしたものの現地で使い切れなかったという経験をした人も多いもの。
例えば、日本で円をドルの現金に両替すると、大手銀行で1ドル当たり3円弱の手数料がかかることもあります。現在の為替相場で手数料率に換算すると約2.5%で、使い切れなかったドルを円に戻せば往復コストは5%にもなります。
そのために、現金は旅先で使い切る最低額に留めて、現地通貨建てでの買い物や出金が可能なカードを併用したいところです。最低額とは、渡航先によって必要なチップ代、タクシー代など現金でないと支払いができない合計額です。渡航先や滞在期間によっては1万円程度で済む場合もあるでしょう。日本円を持っていき、必要になってから現地で両替をする方法もあります。
海外で活用させたいカードには大きく分けてクレジットカード(後払い方式)、デビットカード(即時払い方式)、プリペイドカード(前払い方式)の3種類あります。
まずは、ほとんどの人が持っている、クレジットカードから解説します。クレジットカードでショッピングをしたときにかかる為替コストはカード会社にもよりますが2%程度です。カード会社がそのときどきの外為市場の動向に合わせて、海外事務手数料などを上乗せして為替換算レートを決めます。
為替コストは他種カードと比べても安めで、不正利用された際の補償もあるので現金よりも安全です。クレジットカードでショッピングをすると、利用額の0.5%程度のポイントが還元されるのもメリットの一つです。半面、与信枠の範囲内であれば買い物が可能で、実際の引き落としが翌月以降になるため、ついつい予算を超えて使いすぎるデメリットもあります。
次にデビットカードは預金口座と連動し、カードで買い物をすると即座に口座から代金が引き落とされる仕組みです。使うたびに口座の残高が減るため、資金管理を意識しやすいとされ、無駄な買い物を防ぐ効果もありそうです。
海外での買い物時の為替コストは発行銀行にもよりますが3%程度です。使い方はクレジットカードと同じでVISAやJCBなどのマークのある加盟店でカードを提示します。利用に応じた特典もあり、キャッシュバックを受けられる銀行もあります。
海外専用プリペイドカードは、日本国内であらかじめチャージ(入金)をし、その残高の範囲内で海外で利用できるというものです。買い物の際にカードを提示し、サインや暗証番号入力などを行います。
為替コストは4%程度と、クレジットやデビットに比べると高めです。一方、チャージ額を抑えておけば、使いすぎを防げる利点があります。クレジットカードと違って、18歳未満で利用できる場合が多いので子どもが海外旅行や留学をする際、現地での支払い手段として持たせる人もいます。
渡航先で現金が足りなくなった場合はどうすればいい?
渡航先で現金が足りなくなった場合はデビットカードとプリペイドカードの場合、銀行などに設置されたATMから現地通貨を引き出せます。例えばビザ提携カードであれば、「VISA」もしくは「PLUS」のマークのあるATMが使えます。ショッピング時と同様、やはり為替コストはかかります。他にもATMを管理する現地の金融機関が独自に設定する手数料などがかかる場合もあります。
クレジットカードでもATMから現地通貨を引き出すことは可能です。与信枠の範囲内で融資を受ける「キャッシング」という方法を用いると、現地通貨建てでお金を借りることができます。コストとしては、為替手数料は原則かからず、金利を払うことになります。
キャッシング金利は発行会社によって異なりますが、年率18%程度が多いです。金利は日割り計算で、帰国後すぐに返済すれば負担は少なくて済みます。例えばキャッシングした日から10日後に一括返済をする場合、10日分の利息は約0.5%です。10万円を借りる場合は500円程度ということです。金額を限定して短期で一括返済するなど上手に活用すれば、現金両替より低コストになる場合もあります。
キャッシングの返済は、毎月の引き落とし日に自動でする方法のほか、発行会社のATMなどを使ってする方法を選択できる場合もあります。
旅先では支払い手段の選択肢は多いほうがよいです。加盟店によっては利用できる国際ブランドが限られるので、「VISA」「Master」など異なるブランドのカードがあると安心です。カードの暗証番号や、盗難時の緊急連絡先なども確認しておきましょう。帰国後に請求額に驚くことのないように旅先ではレシート類を保管し大まかな買い物額をメモしておくとよいですね。