EUとイギリスの貿易協定が正式に成立:「離婚」の完全な終結
4月28日水曜日に正式に発表された投票結果によると、欧州議会は欧州連合(EU)と英国の間の貿易協定を承認した。
おそらく、もうほとんどの人が忘れていると思うが、英国とEUの貿易協定は、まだ正式に成立していなかったのだ。
この「離婚」のための協定は、去年の12月クリスマスのころ、大慌てで合意に到り、合意がないままの離脱は回避された。そして、年初からすでに、協定は暫定的に適用されはじめていた。しかし、正式に適用になるには、欧州議会の承認が必要だった。
欧州議会での投票は、27日の夜の本会議で行われた。
697人の投票者のうち、660人の欧州議会議員がこのテキストを承認、5人が反対し、32人が棄権した。
政治家が決めてしまった成り行きに、欧州議員は大いに不満だろうが、ともあれこれでやっと、歴史的な大騒動に一つの幕がおりた。バルニエ交渉官も、これでやっと重い重い肩の荷が降りたことだろう。
あのヨーロッパ中が驚いた2016年6月23日の国民投票から、もう5年弱が経ったのだ。結果が気になっていた筆者は、朝、起きてすぐにテレビをつけた。画面下のテロップに「イギリス、EUを離脱」と見た時の衝撃は、今でもまざまざと覚えている。すぐにSNSで引き起こされた大騒動も。筆者のソーシャルメディアはEUに関心がある人が多いので、すごかった。驚き、怒り、嘆き、悲しみ、とまどい、沈黙、面白がり、不快・・・様々だった。
一番覚えているのは、「イギリスなんて二度と行くものか。子供っぽいと言われようと、本気だ」と怒った友達、「公式に私たちのことを嫌いだと言っているわ」と嘆いた友人、「ヨーロッパが好きで留まりたいイギリス人男性の方、私はイギリス人の恋人はウエルカムよ。結婚もOK」と書いた知人(しょうもないな・・・苦笑)。そして極め付けはトマ・ピケティの一言、「イギリスは島国だ」。
今日、本に例えれば「本編」は終わった。明日からやって来るのは、一緒のストーリーではなく、各自の「続編」となるだろう。
ブレグジット関連の次の大山は、5月6日に行われるスコットランド議会の選挙である。独立を求める住民投票を行うのが公約である「スコットランド民族(国民)党」の勝利は確実視されている。
スタージョン自治政府首相は、仮に勝利しても、コロナ禍がおさまるまでは、独立を問う住民投票は行わないと言っているので、しばらくは大きな動きはないだろう。
しかし、ロンドンのウエストミンスター議会が独立の住民投票を認めるわけがない。
「続編」も大きな「ものがたり」になりそうだ。