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4/1「ワッパーの日」バーガーキング定期券発売!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

KNNポール神田です!

バーガーキングは、2014年より4月1日を「WHOPPERの日」として、一般社団法人日本記念日協会へ登録している。それは「WHOPPER("ワッパー"と発音)」の意味が、とてつもない大きなモノ以外に、大ウソや、大ボラという意味があるからだ。今度のエイプリール・フールに何やら「ワッパー」のことをやるという。

現在はYouTubeなどでティザー広告が展開されている。

2015年4月1日限定発売「WHOPPERの日」一ヶ月定期券『WHOPPER PASS』を発売!

『WHOPPER  PASS』を4/1限定5,000円で販売
『WHOPPER PASS』を4/1限定5,000円で販売

バーガーキングは、『WHOPPER』ポテト M セット(『WHOPPER』+『BK フレンチフライ』M+ソフトドリンク M)840円を一ヶ月間、毎日1セット食べられるという定期券『WHOPPER PASS』を5,000円で2015年4月1日(水)のみ限定で販売する。また同日、直火焼パティの香りがする香水『FLAME GRILLED フレグランス(フレーム グリルド フレグランス)』5,000円を販売する。

つまり、『WHOPPER PASS』では、5,000円÷840円 で5.95回なので6回(6日間)以上食べれば、モトが取れる。最高30日間で、2万5,200円分の「ワッパーポテト M セット」を5,000円で食することができる。これはヘビーユーザーであればあるほど、得をする企画だ。それと同時に「飲食定期券」市場のニーズを探れる企画だと思う。

外食産業は市場規模23兆円で停滞中

外食産業市場は23兆円で停滞気味
外食産業市場は23兆円で停滞気味

外食産業は、中食市場(コンビニなどによる弁当・惣社の持ち帰り)の伸びや、デフレ全体の中、伸び悩んでいる。現在までの外食産業は、常に内食市場(家庭での食市場)と相関関係であった。しかし、1998年の77.9兆円をピークに食料支出市場全体が減少していることを表している。中食市場が伸びる中、2012年の食料支出は64.6兆円。なんと14年間で13兆円もシュリンクしているのだ。

13兆円もシュリンクしている食料支出
13兆円もシュリンクしている食料支出

国民 1 人当たり年間約11万円、1日当たりに換算すると約300円規模の減少になる。この背景には、高齢化に代表される胃袋の縮小と所得の減少に伴う消費の抑制という 2 つの要因があると推察される。

出典:http://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/pdf/mif_161.pdf

筆者は外食産業のひとつの打開策として「飲食定期券」ビジネスはありだと考えている。「飲食定期券」があれば、内食部分と中食部分がファストフード店やファミリーレストランに流れる可能性を秘めているからだ。飲食定期券+単品アルファのトッピング型商材があれば、新たな売上も見込める。何よりも来店機会を定例化させることによるメリットは多大だ。そして、その来店機会を他のサービスとの連携化をはかることによっての広告媒体としての価値も生むことだろう。

例えばバーガーキングに毎日通いながら、ドーナツ定期券やカフェの定期券などを知ることも可能だ。定期券を提示すれば提携サービスを受けることが出来たりなどの連携オプションも考えられるのだ。また特定企業のスーパーでのクーポン配布なども可能となる。そこには、外食産業の顧客属性を共有するというビジネスの派生が期待できるのだ。そこにはバドワイザーやペプシにクラフトにケロッグまで関わるのかも知れない。

ウォーレン・バフェット氏と3Gキャピタルのホルヘ・パウロ・レマン氏の企みは?

日本のバーガーキング・ジャパンの経営権は、西武商事(1993年)、JT(1996年)、ロッテ&リバンプ(2006年)、ロッテリア(韓国資本、2010年〜)と複雑な経路をたどるが、米国のバーガーキング社はさらにドラマチックだ。ブラジルの未公開株(PE)投資会社3Gキャピタルのホルヘ・パウロ・レマン氏によってバーガーキングは、32億ドル(※3,200億円)で買収(2010年)後、投資家ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハザウェイと共同で「ハインツ」を232億ドル(※2.3兆円、2013年)で買収する。さらに、バーガーキング社は、バフェットと共に、カナダのコーヒー・ドーナツチェーン最大手ティム・ホートンズ(110億ドル※1.1兆円)を買収(2014年)する。これにより、バーガーキング社は、全世界で年間230億ドル(※2.3兆円)を売り上げ、100カ国に1万8,000あまりの店舗を展開する世界第3位のファストフード大手となった。

さらに、3Gのレマン氏の野望は、米食品大手キャンベル・スープ(約140億ドル1.4兆円規模)、や米飲料・食品大手のペプシコ(時価総額1400億ドル14兆円)やクラフトフーズ(現モンデリーズ・インターナショナル560億ドル※5.6兆円)、ケロッグ(220億ドル※2.2兆円)にまで及ぶ。また、ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(バドワイザーなどの親会社1930億ドル※19.3兆円の株主でもあり)との提携後の買収も考えられ、外食市場から内食市場全体へのシナジーもあながち世界的に、ありえなくないのである。日本でのドメスティックな販促キャンペーンから、世界的な買収戦略のシナジーを考えるのもまんざら悪く無い。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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