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7~9月期のGDP改定値は年率1.8%増に、設備投資が寄与

久保田博幸金融アナリスト
(写真:西村尚己/アフロ)

 内閣府が9日発表した7~9月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動を除いた実質で前期比0.4%増、年率換算では1.8%増となった。速報値の前期比0.1%増、年率0.2%増から大きく上方修正された。

 速報値に比べて改定値が大きく上方修正されたのは、設備投資による。改定値では法人企業統計による数値が反映されるためである。GDPの速報値においては、設備投資額を内閣府が推計して公表しているが、改訂値では、この法人企業統計調査を反映する。

 財務省が2日発表した7~9月期の法人企業統計によると、金融業と保険業を除く全産業の設備投資額は前年同期比7.1%増の12兆826億円となっていた。国内総生産(GDP)改定値を算出する基礎となるソフトウエアを除く全産業の設備投資額は、前年同期比で7.7%増となっていた。

 この法人企業統計調査は、金融・保険業を除く日本の営利法人(日本国内に本店を有する合名会社、合資会社、合同会社、株式会社)の企業活動の実態を把握するため、全国の財務局及び財務事務所等を通じて調査票を送り記入されたものを集計している。

 7~9月期GDPは予想以上の上振れとなったが、10~12月期は5期ぶりのマイナスに転じると予想されている。

 ちなみにGDPを何故、内閣府が発表しているのか。内閣府とは、旧総理府、旧経済企画庁、旧沖縄開発庁などを統合して新設されたもので、旧総務庁、旧科学技術庁などの業務も引き継いでいる。このため、旧経済企画庁が作成し発表していたGDPなど経済指標も内閣府が発表している。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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