Yahoo!ニュース

西日本を含め広範囲で"年末寒波"の大雪ピークに/"正月寒波"のピークも見えてきた?:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
28日9時の予想天気図(気象庁HPより)。強い冬型の気圧配置が続く。

28日も冬型の気圧配置が続く中、西日本や北陸など雪が強まるところがあり、北陸を中心に積雪が急増するおそれがあるほか、西日本は太平洋側でも雪が積もるところが出てきそうです。

今回の"年末寒波"は、おおむね28日がピークとなり、一部29日まで続くところも30日にはいったん収まる見込み。
ただ、年越しのタイミングで再び寒気が強まり、"正月寒波"となりそうです。年明けの雪のピークも含め、気象予報士が解説します。

29日は広範囲で大雪に

28日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
28日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

最大9連休という年末年始休みの初日となる28日は、広範囲で大雪による交通影響に警戒が必要です。

西日本ではすでに大雪のピークを抜けつつありますが、朝の段階ですでに平地でも積雪や路面凍結のおそれがあるため、路面の状態に気をつけておでかけください。
昼頃にかけてはまだ太平洋側も含めて雪が降るところがあるでしょう。九州・四国や紀伊半島でも積もるおそれがあります。

28日朝の西日本の天気分布予報(気象庁HPより)。
28日朝の西日本の天気分布予報(気象庁HPより)。

日中も北陸には次々と雪雲が流れ込み、JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)と呼ばれる活発な雲の帯がかかる影響で、積雪が急増することも。
車での長距離の移動は特に、万が一、通行止めや立往生に遭遇した場合に備えて、飲料水や食料などを余分に用意しておきましょう。

予想降雪量(気象庁HPを元に作成)。
予想降雪量(気象庁HPを元に作成)。

28日夕方までに予想される雪の量は、新潟県の中越の山沿いで最大80センチ、そのほかも50センチ前後が予想されているところが多くなっています。

なお、夜になっても北陸や北海道を中心に雪が強まるところがあり、北海道は留萌地方を中心に局地的な大雪に注意が必要です。

"正月寒波"は1月2日~3日がピークか

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

29日(日)は北陸から北の日本海側を中心に雪が降るでしょう。

30日(月)には冬型がいったんゆるむものの、すぐに次の低気圧が近づき、日本海側は雪や雨が降りやすい状態に。一時的に寒気がゆるむため北陸などは雨になりそうです。

31日(火)は北日本や北陸以西の日本海側で雨や雪が降り、午後には冬型の気圧配置になって次第に山沿いから雨が雪に変わっていくでしょう。

新年を迎える1日(水)も日本海側は雪や雨ですが、西日本では日本海側でも初日の出が見られるところも。ただ2日(木)~3日(金)にかけては一時的に寒気が強まり、また積雪が急増するところも出てきそうです。
3日(金)はUターンで移動する人が増えるタイミングでもあるため、最新の情報に注意が必要です。

※筆者のプロフィールからフォロー(リンク先の「+」のボタン)していただくと、日々の天気や防災、テレビではなかなか話せない気象予報の裏側を書いた記事を逃さず読むことができます。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

植松愛実の最近の記事