フェイク大学「国際信州学院大学」に学ぶ情報リテラシー
KNNポール神田です!
フェイクニュースに騙されないようにという大阪教育大学によるメディア・リテラシーの演習授業で作成したサイト「大教新聞」の「大阪大と大教大が統合する」の情報のみがSNSで拡散してしまった…。
大阪教育大学は、大学サイトで謝罪コメントを掲載した。
大阪教育大学の謝罪ページ
大阪教育大学のTwitterコメント
このところ、大学が謝罪するケースが相次いでいる…。しかし、ネット上に公式ウェブサイトがあれば、このような情報をトップページやリンクに掲載することによって、事実を公表することができる。また、噂レベルや疑わしい情報については、当事者や本人が確認できるページで情報を検索するのは一つの良識あるオトナとしての情報リテラシーの常識だ。
まったく空気が読めていない日本大学のサイト
また、「悪質タックル」で渦中の日本大学は、謝罪と今後の対応の情報を掲載しながらも、トップページには130周年を迎えるキャンペーンを掲載し続ける無神経さで呆れる。2019年の130周年ならば、この状況ならば一度は取り下げ、謝罪と今後の情報のみにすべきではないだろうか?130年の輝きと共に未来を創っている状況ではないのだ…。また、第三者委員会が設立された今だからこそ、日本大学危機管理学部がシンポジウムを行うならば「日本大学の危機管理」をテーマにしたシンポジウムを行い、日本大学の危機管理を自ら自浄させる努力をすべきではないだろうか?
日本大学サイト
フェイク大学「国際信州学院大学」に学ぶ情報リテラシ−
ぜひ、フェイクな大学「国際信州学院大学」のサイトを見てほしい。
国際信州学院大学サイト
事の発端は、「国際信州学院大職員が50人分の予約無断キャンセル」だった…。
そう、飲食店のTwitterも、国際信州学院大学のサイトもフェイクだったからだ。
しかし、国際信州学院大学のサイトを見ると、飲食店に対する謝罪文がPDFで掲載されている。
https://kokushin-u.jp/static/pdf/owabi20180519.pdf
Twitterでも今回の件で謝罪している。
https://twitter.com/kokushin_univ
また、公式ではない、国際信州学院大学マートのフェイクなスタッフブログも憂いている。
http://kokushincoop.blog.fc2.com/
さらに、ウィキペディアのフェイクページのウィキサイトまで用意している。
https://wiki.kokushin-u.jp/wiki/国際信州学院大学
また、国際信州学院大学を誘致している南馬宿村役場というフェイクな役場まで存在するのだ。こちらのフェイク度もかなり奥深い。役場や集落の問題を考えさせられる。
http://minamiumayado.com/info/sui/
大学名のドメインが ac.jp でないことについても公式のフェイクTwitterでac.jpがない大学を紹介している。
さらに国際信州学院大学がTwitterでフォローしているTwitterを見て驚愕する…。
https://twitter.com/kokushin_univ/following
よくぞここまでフェイクで固めたものだ。さらに講師陣のTwitterまで。
GoogleMAPフェイクから、ウィキペディアフェイクまで、検索エンジンのクロールも「フェイクサイト」を人気のアルゴリズムとして騙されている始末だ。Googleのbotまでフェイクとは気づかない。この作者に興味を抱く。とても個人の力量ではなくウェブサイトづくりを本業とするプロの仕業とプロファイリングしておこう。
国際信州学院大学が教えているのは、まさにこの「架空の情報にだまされないようご注意ください」なのだ。ネット技術を駆使してフェイクながらもインターネット出願システムまでPHPを駆使して作り、最終的にメールを心待ちにしている人は、Q&Aページにある隠しページでフェイクのタネあかしを悟らされてついに事実を知ることとなる…(※リンクは禁止となっている)。
まさに壮大なフェイクとマンパワーとテクノロジーで、情報リテラシーを説く秀逸なサイトとなっているのだ。本物がフェイクに見え、フェイクが本物に見えてくる時代だ。まさに、是枝監督の描くリアルな「家族」が虚構で、万引き家族の絆の方が強いという映画『万引き家族』そのもの。
フェイクだらけのリアル大学は「国際信州学院大学」のフェイクから情報リテラシーを読み取るべきだ。
フェイク大学「国際信州学院大学」は、情報リテラシー教育の観点からは、本当のネット大学だと思う。