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猛暑と豪雨、なぜ繰り返されるのか#専門家のまとめ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
9月22日午前9時までの48時間降水量、ウェザーマップ作画

 石川・能登に今年3か所目となる特別警報が出された一方で、福岡県太宰府市の猛暑日は国内最多の62日になりました。

 猛暑と豪雨がこれまでの記録を次々と塗り替える規模で発生するのはなぜか。温暖化との関わりをまとめました。

ココがポイント

九州から東北にかけては大気の状態が不安定となっていて、太平洋側を中心に局地的には非常に激しい雨の降る所がある見込み
出典:ウェザーマップ 2024/9/22(日)

大気全体が膨張し、温度が高い状態が続いたことが、今年の猛暑の本質的な理由です
出典:Yahoo!ニュース エキスパート 森田正光 2024/9/20(金)

「大気中に含まれる水蒸気が多い状態になっていて、水蒸気が多い分だけ、たくさん雨が降る」
出典:日テレNEWS NNN 2024/9/19(木)

エキスパートの補足・見解

 猛暑と豪雨、一見すると別々のことのように思いますが、大もとは同じです。温暖化は気温が上昇するだけではなく、雨の降り方にも大きな影響を与えます。気温が上がると空気中の水蒸気も増えるからです。

 ただ、気温は広い範囲で上昇する一方で、雨の降り方は場所によって変わります。雨が猛烈に降るところもあれば、降らなくなる場所もあります。

 この先1か月も暖かい空気に覆われて、気温の高い状態が続くでしょう。35度以上の猛暑日は終わりますが、10月でも30度を超える日はありそうです。季節の進みは例年以上に遅くなると思っています。

 また、降水量も平年より多い予想です。秋の深まりが遅くなれば、その分、台風シーズンが長引く可能性があります。

気象庁1か月予報(9/21~10/20):上図は平均気温の予想、下図は降水量の予想、ウェザーマップ作画
気象庁1か月予報(9/21~10/20):上図は平均気温の予想、下図は降水量の予想、ウェザーマップ作画

【参考資料】

真鍋淑郎、アンソニー・J・ブロッコリー、2022:地球温暖化はなぜ起こるのか 気候モデルで探る 過去・現在・未来の地球、講談社

気象庁:1か月予報(9/21~10/20)、2024年9月19日発表

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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