【神戸市】市立医療センター西市民病院の移転・新築の延期が発表。背景には日本が抱える少子高齢化問題が
市立医療センター西市民病院の移転・新築が令和11年(2029年)に行われるとされていましたが、先日令和13年(2031年)にずれ込むことが発表されました。
当初から約2年半の遅れとなります。
◆現在の市立医療センター西市民病院
現在神戸市長田区一番町にある市立医療センター西市民病院は、地域のみなさんに「西市民」の名称で親しまれ、また頼りにされている総合病院です。
しかし開院から54年が経過し、施設の老朽化が課題となっています。
これをうけ、令和3年(2022年)11月に神戸市より駅前開発が予定されているJR新長田駅前の若松公園内に移転・新築する計画、新西市民病院整備基本構想概要が発表されました。
高度な医療を導入することはもちろん、感染症や災害への強化を施し、神戸市西部の中核病院としての役割を期待しての決定でした。
若松公園はJR新長田駅から徒歩5分程度で、新長田東急プラザなどの商業施設と隣接した便利な場所にあります。
緑も豊かで、病院としての条件もそろっているように思われます。
◆延期の理由とは?
今回当初の予定より約二年半後ろ倒しにした理由としては、本年度中の入札と着工に、ゼネコン各社が不参加の意向を発表したことが挙げられるようです。
半導体事業の優先や、東京での大規模な建設工事が相次ぎ、職人を確保できない背景があるのだとか。
日本が抱えている社会問題である少子高齢化が、職人離れの原因の一つとも言われています。
しかし皮肉なことに、その高齢化が進むため、高度な医療施設や設備が必要という現実もあります。
今回このジレンマをどのように埋めていくのか…。
西市民病院の移転の開発時期が遅れる問題は、現在の日本社会が抱えている課題が縮図として浮き彫りになった例ではないでしょうか。
また資材高騰を受け、当初の予算の倍額が見込まれているとも発表がありました。建設予定地の止水工事の必要も加わり、神戸市立医療センター西市民病院の移転・新築には、まだ多くの課題があるようです。
三宮地区をはじめ開発が進む神戸市内ではありますが、神戸市立医療センター西市民病院の移転・新築についても、しっかり見守っていきたいところです。
■神戸市立医療センター西市民病院
住所:神戸市長田区一番町2丁目4番地
電話番号: 078-576-5251
アクセス:神戸市営地下鉄「長田駅」(長田神社前)より徒歩約8分・神戸高速鉄道「高速長田駅」より徒歩約8分・JR「兵庫駅」、神戸高速鉄道「大開駅」より徒歩約10分・市バス4系統、6系統、13系統、69系統「西市民病院前」すぐ
★神戸市立医療センター西市民病院ホームページ