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8日朝は関東地方の広い範囲で、濃い霧が発生するおそれ 交通機関に影響か

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
細かい水滴が空気中に浮かんでいる状態で、見通しが1キロ未満になると霧という(写真:アフロ)

 7日(日)午後6時現在、埼玉県や千葉県など関東地方の広い範囲に濃霧注意報がでています。

 濃霧注意報とは濃い霧のため、交通機関に著しい障害が起こると予想される場合に発表される予報です。

 見聞きする機会が多い注意報ですが、8日(月)朝は霧が発生し、場所によっては見通せる距離が100メートル以下となる可能性があります。

 この図は見通せる距離(視程)を予想した図で、上図は7日午後9時~8日午前0時、下図は8日午前6時~午前9時です。

 色が濃いところほど、見通せる距離が短いことを表しています。

見通せる距離を予想した図(視程ガイダンス):上図は7日夜遅く、下図は8日朝、ウェザーマップ作画、筆者加工
見通せる距離を予想した図(視程ガイダンス):上図は7日夜遅く、下図は8日朝、ウェザーマップ作画、筆者加工

 関東地方の東部を中心に霧が発生し、8日朝にかけて濃くなっていく様子がわかります。とくに、東京湾やその周辺で、見通しが500メートル以下とかなり悪くなる予想で、羽田空港や成田空港、JR・私鉄各線への影響が気になります。

東京の霧は4月に多い

 空気中に細かい水滴が浮遊し、見通せる距離が1キロ未満になった現象を霧といいます。雲が地面に接すると霧になり、お風呂場でシャワーから立ち上る湯気も霧です。

 東京都心で最も霧が発生しやすい月は4月と11月です。発生しやすいといっても、一年に1日~2日程度で、霧に覆われる都心は稀です。

東京の霧日数の平年値(1991年~2020年までの30年間を平均したもの)、筆者作成
東京の霧日数の平年値(1991年~2020年までの30年間を平均したもの)、筆者作成

 しかし、ひとたび発生すると影響は大きいです。2019年11月25日は東京都心で、午前6時30分~50分のわずかな時間でしたが、濃い霧が発生しました。横浜や水戸などでも霧となったため、列車が遅れるなど朝の通勤通学に影響がでました。

 また、2010年2月25日は羽田空港が霧に覆われ、180便あまりが欠航しました。この濃霧をきっかけに羽田空港では霧対策が強化されました。

【参考資料】

気象庁ホームページ:気象庁が天気予報等で用いる予報用語(2024年3月現在)、霧や視程に関する用語

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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