なぜ?PCR検査実施の保健所は土日祝の連休に休んでいるのか?
KNNポール神田です。
2020年02月22日(土)体調の調子が悪く思いながら、テレカンファレンスを2本こなし、ベッドに横になる。いつの間にかずっと寝続けてしまい、翌日の02月23日(日)の朝になって、目が冷めた。そこで熱を測ると、37.6度。そりゃ辛いわけだ…。
気になるのは、1月の最初に米国へのCES取材にいってから、ずっと体調が優れない事と、喉の痛みが続いている事だ。町医者ではインフルエンザも肺炎検査も問題がなく、様子を見ましょうと言われてからもう丸一ヶ月。何よりも奥さんが妊婦という状況なので、気になり朝の9時になってから、問い合わせの電話をかけてみた。
■電話問い合わせがまったくつながりにくい…
取材として連絡をとるのは、この忙しい時には遠慮したいが、熱を出している当事者としてはそれどころではない。
朝、9時を待ち、問い合わせをしてみた…。9時に電話をしてもとてもつながりにくい…。そして、保健所(新宿)は土・日・祝日は休みであることがやっとアナウンスでわかった。この非常事態ともいえる時期にどこも保健所は空いていないのだ。
結果として、電話相談で、わかったことは土日祝日は、緊急病院にいくしかないということだ。
それでは町医者の内科と同じ対応だ。PCR検査をおこなっている保健所は、連休明けの2020年02月25日(火曜日)の朝まで開かない。つまり、金曜日の17時以降から火曜日の8時30分まで日本全体で保健所がクローズされている事実だ。
これだけ日夜、感染者数が報道されているにも関わらず、土日祝および連休中は保健所がクローズしていることに驚いた。
■本当に保健所がクローズしているのか確認しに歩いていってみた
筆者の住まいから、国立感染症研究所も新宿保健所も徒歩圏ですぐなので、熱が37度あるので、万一の事を考え公共交通期間を利用せずに、徒歩で確認しにいってみた。国立感染症研究所は職員の方は事務方しかいないようで完全にクローズしている状態。もちろん研究所で一般の検査はおこなっていない…。
保健所ではしまっていても相談くらいは当直の方に伺えるかと思ったが、ドアも電気も消えて閉ざされていた。保健所がこんな時期に輪番制もとらず、全国一斉に閉じているという。そして、この期間PCR検査もできないこととなる。
■【仮説】感染者数は土日祝には増えない理由は?
https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207
PCR検査の窓口となる保健所が土日祝を休んでいるとなると、感染者数に相関関係があるかもしれないと思って、土日祝をマークしてみた。
2020年01月21日(火)に日本で第一号の感染者が確認され、
この2月4日(火)には20人。そして、2月5日クルーズ船は10人が確認された。
そして、2月23日(日)時点で、129人クルーズ船634人が確認されている。
この連休中にどれだけ感染者数が増えるかが相関関係を物語ってくれそうだ。
データとしては、土日祝には陽性感染者数の増加が少ないようにも読み取れるが、今後、2020年02月25日(火)以降に感染者が急増するならば、保健所が土日祝に閉ざしていることが原因かもしれない。そして、2月29日(土)3月1日(日)の増加を見れば関係性が見えてきそうだ。これはあくまでも筆者の仮説にすぎない。そして保健所ができることはPCR検査とその後の陽性患者への対応のみだ。
■PCR検査よりも感染しない努力、感染させない努力
しかし、保健所でできることはあくまでも検査である。感染後の治療は別機関となる。また、万一『陽性感染者』を排出した場合、企業であれば感染経路の対応や消毒作業の実施が発生する。また、病院なども陽性の感染者が出た場合の発表をおこなわなければならない。メディアがこぞって、感染者発生数と場所を詳細にニュースにすることにより、病院などでは、自分の医院から感染者を出したくないという忖度の経済性が働くだろう。コロナ陽性で、病院閉鎖ともなれば、数億円の損害を発生してしまうからだ。
外来では、37.5度以上の高熱が4日間も続いているのに保健所へと言われるのだ。つまり、保健所へいってくださいのタライまわしが始まっている。そのしわ寄せがすべて保健所に集まる。そして保険所にいくためには、電話で予約を取り付ける必要がある。いろんな社会的な問題も覚悟した上で、PCR検査をカミングアウトしようとする勇気ある感染者予備軍と、できる限り、医療行為のリソースを無駄にしたくないところと、自分のところで感染者を生み出したくない組織との葛藤がいりまじりあっているのが現在の状況だ。
また、電話相談のほとんどが、単純な質問をイエスorノーで振り分けていく対応なので、マスコミは、むやみに電話番号を露出するだけでなく、ウェブサイトで適切な質問に答えて正しい対処を示唆するページでも十分に対応できる点を指摘するべきだ。筆者も電話をかけてみて、こんな簡単な設問のために何分も電話を待たされているのはとても問題に感じた。
当然、医療のヒューマンリソースが圧倒的に少ない状況ではPCR検査による感染者数の把握ではなく、アルコール消毒の手洗いが有効であればその点をもっとアピールすべきだ。陽性患者が出てから対処療法で消毒したとしても2週間前の感染経路である可能性がある。
また、テレビでも、政府広報が動きだしたようだ。ただ、情報量が多すぎる…。一度にこれだけするなを連呼されても…。
そして、せっかくのウェブサイトに誘導するのにランディングページはこちらだ…。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
むしろ、ランディングはこちらのQ&Aページだろう。PDFではなくコピペできたり、スマートフォンでも見やすいテキストサイトがのぞましい…。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000599318.pdf
厚生労働省は、『基本方針』を国民に2020年2月25日(火)に示すという。