米国防長官、ハマスのロケット弾迎撃用に米国にあるアイアンドームのミサイル提供「イスラエル防衛に必要」
ハマスから7日間で6000発以上のロケット弾・迎撃するアイアンドーム
2023年10月7日に、イスラエルに向けて武装組織ハマスから大量のロケット弾が発射された。ハマスからの執拗なロケット弾攻撃は続き、イスラエル国防軍によるとハマスが攻撃してから7日間で6000発以上のロケット弾がイスラエルに向けて撃ち込まれている。
ハマスからの大量のロケット弾の攻撃に対して、イスラエル軍は朝から晩までアイアンドームで迎撃してイスラエル領土をロケット弾から防衛している。
そして2023年10月13日には米国ブリンケン国務長官に次いで、オースティン国防長官もイスラエルを訪問してネタニヤフ首相、がランド国防大臣らと会談し、イスラエルへの強力な支援を明らかにしていた。
オースティン国防長官は自身の公式SNSで「アメリカ軍はすぐにイスラエル国防軍に対して弾薬や米国に在庫のあるアイアンドームのミサイルを含む軍事物資を供与します。これら重要な兵器はイスラエルが国土と市民を守るのに必要なものです」と語っていた。
アイアンドームはイスラエルの軍事企業のラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズとイスラエル国防軍で共同開発した。米国防総省はイスラエルにアメリカにあるアイアンドーム用の迎撃ミサイル第1弾として「タミル」を既に供与したとブルームバーグは報じていた。
▼米国オースティン国防長官の公式SNSで弾薬やアイアンドームをイスラエルに提供することを伝えている。
アイアンドームは地上にいる人たちや建物への攻撃を回避させダメージを最小化させることが目的。アイアンドームは上空のロケット弾やドローンをレーダーが察知すると、地上からミサイルが発射されて、地上の標的が攻撃されて大惨事になる前に、敵のロケット弾や攻撃ドローンを上空で爆破させている。昼間では太陽が出て明るいので、アイアンドームで迎撃しても白い煙が写っているだけだが、夜間でのアイアンドームでの迎撃は空が暗いので、迎撃してロケット弾を破壊しているシーンが鮮明である。
イスラエルでハマスからのロケット弾や攻撃ドローンを迎撃しているのが、イスラエル軍の「アイアンドーム」と呼ばれるミサイル迎撃システムである。2011年に完成したアイアンドームはイスラエルの軍事企業が製造。2021年5月にも約3000発のハマスからのロケット弾や攻撃ドローンの9割を迎撃したと報じられていた。
イスラエルとパレスチナの間で衝突が起きて緊張関係が高まり、パレスチナ側の上空からのミサイルやロケット弾、攻撃ドローンが飛来してくると、アイアンドームで迎撃している。2023年4月7日にもパレスチナからのロケット弾34発中、25発をイスラエルのアイアンドームで迎撃したと報じられていた。
イスラエル国防軍は武装組織ハマスから7日間で6000発以上のロケット弾が発射されたことを発表しているが、そのうち何発をアイアンドームで迎撃したかは現時点では明らかにしていない。毎日武装集団ハマスからのロケット弾での攻撃は続いており、ハマスのロケット弾の在庫は尽きていないようだ。それらハマスからのロケット弾を迎撃するためにはアイアンドーム用の迎撃ミサイルも大量に必要である。
イスラエルにはロケット弾や攻撃ドローン迎撃のためのアイアンドームやアイアンビーム、さらには地対空ミサイルなどが充実している。以前からパレスチナ、ハマスからの攻撃ドローンやミサイルを迎撃してイスラエルの国土防衛に大きく貢献している。
2022年2月にロシアがウクライナに侵攻してから、ロシア軍はイラン製軍事ドローンやミサイルなどでウクライナ軍や民間施設などを奇襲している。ウクライナ政府にとってはイスラエルが所有しているアイアンドームは喉から手が出るほど欲しい防空システムだ。今までにもゼレンスキー大統領らが何回もイスラエル政府にアイアンドームの提供を要請していた。だがイスラエル政府はウクライナにはアイアンドームは提供していない。
▼アイアンドームでハマスからのロケット弾を迎撃(昼間)
▼アイアンドームでハマスからのロケット弾を迎撃(夜間)
▼武装集団ハマスがイスラエルに侵攻してから7日目でロケット弾6000発以上を撃ち込んできたことを報告するイスラエル国防軍の公式SNS