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定型文脱却!退職者に贈る「心を動かすメッセージ」例文7選

太田章代新人育成トレーナー

春は退職の季節です。定年退職や転職など、退職の理由はさまざまありますが、お世話になった上司や先輩、同僚、後輩、お客様が退職する際には、「今までありがとうございました」の心を込めて、言葉を贈りたいものです。

しかし、具体的にどのようなメッセージを、どんな方法で伝えればいいのだろう、と考えると、迷ってしまう人も多いでしょう。そこで、今回はすぐに使える例文付きで、退職者へのメッセージをご紹介します。

退職者へメッセージを伝える方法

まずは、メッセージを贈る方法です。

贈り方には、「口頭で伝える」「メールで送る」「手紙に書く」「寄せ書きをする」といった方法があります。

この中で、最も丁寧な贈り方は、「口頭で短く伝えつつ、手書きの手紙でしっかりと思いを綴って渡す」です。手紙は形として残るものなので、うれしく思う退職者も多いことでしょう。寄せ書きにしても同じです。

しかし、定年退職などの円満退社の場合には、残るメッセージが喜ばれますが、退職理由によっては、形に残るものが望まれないこともあります。退職者の状況を考えて判断しましょう。

どのような場合でも、主役である退職者の気持ちをよく考えて、メッセージの贈り方を選びましょう。

退職者へのメッセージ「基本の構成」

次に、メッセージの内容です。メッセージの言葉は、定型文よりも、自身で考えたオリジナルの文章の方が相手にとって嬉しいものです。

さまざまな内容が考えられますが、まずは次にお伝えする「基本の構成」に則って文章を考案してみましょう。

(1)退職者への慰労

最初に、退職者に対する労いの言葉を伝えます。

例文:今までお疲れ様でした。

(2)自分の思い出と感謝

自分自身が退職者にお世話になった話など、思い出のエピソードを話し、感謝を述べます。

例文:私が新作のプレゼンテーションを任されたときは、気にかけて毎日声をかけてくださり、心強かったことを今でも覚えています。本当にありがとうございました。

(3)退職者へのエール

退職後の未来に対する応援の言葉を贈ります。

例文:第二の人生が、益々充実することをお祈りいたします。

注意!「頑張って」は目上にはNG

一方、使い方に気をつけたい言葉もあります。

「新天地でも頑張ってください」は、メッセージでよく使われる言葉ですが、「頑張って」は、「困難に耐えて、努力してください」という意味です。目上の人に使うと失礼に当たるので、以下のように言い換えるといいでしょう。

「ご健勝をお祈りいたします」

「ご成功をお祈りしています」

「益々のご活躍をお祈りいたします」


このような言葉の中から、状況に合ったものを選びましょう。

関係別「退職者に贈る、心を動かすメッセージ」例文7選

それでは、以下にメッセージの具体例をご紹介します。

退職者との関係別になっています。エピソードにはあなたの実際の思い出を入れて、オリジナルのメッセージをつくってみましょう。

定年退職する上司へ

○○部長

ご定年おめでとうございます。長きに渡り、本当にお疲れ様でした。

○○部長は、いつも私の話を最後まで聞いてくださり、「それでやってみろ」と背中を押してくれました。優しく見守りながら、自信をつけさせてくれた事に心から感謝しています。これから寂しくなりますが、ご指導を胸に仕事に活かしていきます。

第二の人生が、ますます充実したものになりますよう、お祈りいたします。

転職する上司・先輩へ

○○係長

お疲れ様でした。今まで大変お世話になりました。

私は○○係長と営業同行させていただくことが多く、お客様への気配りや仕事の段取りなど、勉強になることばかりでした。毎回丁寧に仕事を教えてくださり、感謝しております。本当にありがとうございました。

新天地でも、益々のご活躍をお祈りいたします。

転職する同僚へ

○○さん

今まで本当にお疲れ様でした。

○○さんは同期の中でもまとめ役で、いつも場を盛り上げてくれましたね。また人をよく観察しているので、私が悩んでいたときも察して、声をかけてくれて本当にすごい人だと思いました。その節は相談にのってくれて、ありがとう。自慢の同期がいなくなるのは寂しいけど、新しい会社でも、あなたらしく頑張ってください。また同期会で会えるのを楽しみにしています。

転職する部下・後輩へ

○○さん

今までお疲れ様でした。

○○さんがいるだけで、職場がパッと明るくなり、いつも元気をいただきました。いつもムードメーカーでいてくれて、本当に助かりました。ありがとうございました。

退職は寂しいですが、新天地でも充実した日々を送れるよう、応援しています。

結婚退職する人へ

○○さん

今までお疲れ様でした。そしてご結婚おめでとうございます。

○○さんの、分け隔てない優しさと、心遣いができるお人柄を、とても尊敬していました。お昼休みに一緒にランチに行ったことなど、楽しかった思い出が脳裏に蘇ります。これからの、新たなご家族との末永い幸せを願っています。

出産退職する人へ

○○さん

今までお疲れ様でした。

一緒にプロジェクトに取り組んだ時は、熱い日々を送りましたね。○○さんの、調整力のおかげで、チームが一丸となって成功できました。本当にありがとうございました。エースの離脱はつらいですが、次のプロジェクトも成功に導けるよう、残ったみんなで頑張ります。無事のご出産をお祈りしています。

転職するお客様へ

○○株式会社 

○○様

ご退職のお話を伺って、驚いている次第です。今まで大変お世話になりました。

私が新人だった頃、〇〇様が「営業の仕事は売る事ではない。お客様に価値を提供することだ」と教えてくださいました。その言葉は今でも胸に残り、私の営業指針となっています。本当にありがとうございました。これからもお体を大切に、新たな環境においても益々のご活躍をお祈りしております。

まとめ

以上の例文をご紹介しました。自分と退職者との関係によって、言葉遣いを丁寧にしたり、逆に崩したりとアレンジをしてみてください。それほど接したことがない人でも、「自分がどんなメッセージをもらったら嬉しいのか」と考え、オリジナルメッセージを贈りましょう。

アイキャリア株式会社

研修トレーナー太田 章代

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太田章代の『ビジネスコミュニケーション術』

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新人育成トレーナー

愛知県岡崎市出身。損害保険会社の事務員から広告代理店の営業職に転職。入社2年目から6年連続売上トップ。32歳で統括本部長に抜擢。50人の部下を指導する。35歳代表取締役に就任。その後、2006年人材育成事業で独立。現在まで研修&講演に2,000本以上登壇。離職率の低下や、職場のコミュニケーション改善などで成果を上げる。独自の体験型講演が好評をいただき、講師評価98.7%でリピート率も高い。研修&講演を通して【働くを楽しむ】社会創りに貢献するという使命のもと、日本全国で精力的に活動中。

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