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【声明】すべての子ども若者のみなさんへ、こども基本法ができました!#子どもの権利

末冨芳日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員
(写真:アフロ)

1.すべての子ども若者のみなさんへ、こども基本法ができました!

※この記事(きじ)は、こどもたちにもわかるよう、ふりがな、をふったものも準備(じゅんび)しています。

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こども基本法が国会でできました。

この国で子ども若者にも権利があること、大人たちが子どもの意見を聞き尊重すること、子ども若者の最善の利益を実現していくことが定められた大切な法律です。

どんな法律かはこの記事もみてください。

※【解説】こどもの日に知っておきたい子どもの権利 #こども基本法 できるとどうなる?(末冨芳,2022年5月5日記事

子どもの権利をこの国の法律にしたい、こども基本法を作りたい、そう願う仲間とともに、「こども基本法の成立を求めるPT(プロジェクトチーム)」を結成し、オンライン署名をしてきました。

こども基本法の成立を求めます!(発信者:こども基本法の成立を求めるPT )

たくさんの国会議員に、こども基本法を作りましょう、子どもの権利を大切にしましょうとお願いをしてきました。

そして、たくさんの国会議員が協力して、こども基本法が、今日、6月15日にできました!

私たちは、こども基本法が、すべての子ども若者にとって大切な法律であることをお知らせするために、次のとおり声明を発表します。

2.こども基本法の成立に際しての声明

 【作成者:こども基本法の成立を求めるPT(令和4年6月15日)】

まず誰よりも、この法律の対象となった日本の子ども若者のみなさんに、こども基本法が大切な法律であることをお知らせしたいと思います。

コロナ禍の中で、子どもや若者の意見を丁寧に聞く大人もいれば、そうでない大人に残念な思いをすることもあったのではないでしょうか。

こども基本法は、みなさんの意見や権利を尊重し、子どもと大人でともに考え進むことで、より良い国・社会となっていくための大切な法律です。

私たちはこども基本法の成立を求めて活動してきました。

その理由は次のとおりです。

日本では、子どもに関する法律は多くありますが、子どもに関わるあらゆる場面で、子どもの権利が守られるべきと定めた基本の法律がありませんでした。

これまで、子どもたち自身のための法律や政策は後回しにされ、子どもたちが守られず、声や意見も聞かれず、権利が尊重されにくい社会になっていました。

こうした事態を改善し、子どもの視点に立った政策を推進するために、私たちは子どもの包括的な権利や国の基本方針を定めた「こども基本法」が不可欠と考え、政府および政党に対し要望活動を続けてきました。

第208国会で成立したこども基本法は、子どもの権利条約に定める4つの一般原則(生命・生存及び発達に対する権利、子どもの最善の利益、子どもの意見の尊重、差別の禁止)が規定されるとともに、国や国民全体で子どもの権利を実現し、そのための政策も充実していくための、意義ある法律です。

こども基本法の成立に歓迎の意を表します。

国・地方自治体の責務とともに事業主・国民の努力、「こども施策」を総合的に推進するための「こども大綱」、「こども施策」に対する子どもの意見の反映、こども基本法および児童の権利条約に関する内容の周知、「こども施策」の充実及び財政上の措置等も規定されており、わが国における、全ての子どもの基本的人権の保障、権利・利益の実現のために充実した施策が推進されることを期待いたします。

あわせて今国会で、子どもの権利に関する法案をご提出いただき、真剣に質疑をかわし、わが国における子どもの権利・利益の実現を強く訴えていただいた全ての国会議員のみなさま、これまで日本において子どもの権利の実現にむけご尽力いただいてきた全ての関係者に心から感謝申し上げます。

こども基本法の成立・施行から、わが国の子どもの権利・利益の実現は本当のスタートラインに立ちます。

みなさまとともに私たちも、全ての子どもたちの権利、そして最善の利益の実現のために努力を続けていくことを誓います。

最後に子ども若者のみなさんに、大人の私たちから、お願いがあります。

こども基本法は、この国や社会を、子ども若者にとって、もっと良くしていくための法律です。そのために、みなさんの声や意見、みなさん自身の権利を尊重し実現し、より幸せな日々を送ることができるように、共に考え進んでいくための法律でもあります。

この法律をきっかけに、より多くの大人たちが、みなさんの意見を聞いたり、どうすればより良い状況になるのか一緒に考えたり行動していくことになります。

日本では子ども若者の意見を大切にしたり、一緒に考え行動することに、大人があまり慣れていません。でも、こども基本法の成立により、たくさんの大人たちが挑戦をはじめます。

みなさんが意見を言ったり、自分や友達、ご家族の声を届けてくださったり、共に考え行動する機会や場面が増えていきます。強制ではありません、みなさんの意思を大切にします。

みなさん自身や友達、ご家族がより幸せな生活を過ごすために、大人と一緒に考えたり行動しても良いなと思ってくださる方が、この国この社会をより良くしていく仲間として、私たちと一緒に進んでくださることを楽しみにしています。

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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