世帯ベースで2割超…意外に進んでいるタブレット型端末の普及状況
世帯単位では2割強、高年収世帯では6割近くにも
スマートフォン同様に新世代のインターネット端末として注目されているのがタブレット型端末。特にこの数年で「廉価端末の登場」「インフラ整備によるネット接続環境の改善」「電子書籍端末としての使いやすさ」など、多数の好条件が揃い、多くの人が手にとるようになった。それでは今の日本では、どの位の普及率を示しているのだろうか。その実情を総務省の統計結果から確認していく。
自宅のパソコンを使ってインターネットを利用している人は58.4%、一方、タブレット型端末を使ってインターネットへのアクセスをしている人は12.3%というのが、現在(2013年末)の状況。
それでは世帯単位(個人単位ではなく、世帯内の誰かが保有、さらには世帯全体での保有も該当)で、タブレット型端末の普及状況はどの程度のものなのか。主要属性毎の動向だが、全体では21.9%。大体5世帯に1世帯でタブレット機が存在している計算。昨年2012年末の時点ではは15.3%だったから、比率で4割強、%ポイントで6.6%ポイントの増加である。
世帯主の年齢別では30代が最高値で31.1%、それを筆頭に30代から40代がボリュームゾーンで大体3割前後。60代後半以降はある程度値を下げるが、それでも10%強を占めている。シニア層世帯でも10世帯に1世帯がタブレット型端末を有する。
一方世帯内の構成別に見ると、高齢者が居る世帯ではやや低めで、子供が居る世帯では高めの値が出ている。「子供」の要素がある世帯ではいずれも2割を超えており、子供の遊具・仕付け用機材としてタブレット型端末を利用している状況が想像される。これは最上記のグラフにある世代別利用率のところで、6歳から12歳のタブレット型端末の利用率が、高めの3割近い値を示していることからも納得できる。
世帯年収別では高年収ほど保有率は高い。特に年収1500万円から2000万円層では6割に近い値を示している。高年収世帯のライフスタイルには、機動力の高いパソコン的な立ち位置にあるタブレット型端末は、まさに「鬼に金棒」なのだろう。なお2000万円以上の世帯でやや数字が落ちているが、これは該当世帯の数が他の属性と比べて少なく、さらにこの世帯では高齢者が多いことから、ぶれ的な値が発生したものと考えられる。
何台タブレット型端末があるのか
各世帯にタブレット型端末があるか無いかでは、ある世帯は2割強という結果が出た。それでは各世帯に何台存在するのだろうか……という疑問への答えが次以降のグラフ。
保有率トップの30代は1台のみの保有が多い。よくて2台保有まで。他方40代から60代前半は複数台保有率が高い。中堅層になると金銭的余裕ができ、そして子供の成長の過程で世帯主自身の分、さらには子供向けの双方、または世帯主と配偶者が別個それぞれに保有している状況が想定できる。廉価端末も増えていることから、携帯電話のように一人一台の割合で保有している世帯も少なくあるまい。
他方20代は単身世帯が多く、また金銭的余裕も無く、子供がいる世帯も少ない。単数台保有がほとんどを占めているのも納得がいく。
続いて世帯構成と世帯年収。
単身世帯で2台以上の持ち主はやはりレアで、合わせて0.9%。一方、子供が居る世帯は複数台保有率が高め。保護者と子供の双方保有が想像できる。
世帯年収別では当然のごとく高年収ほど複数台持ちも多い。年収による保有率の上昇は、単に保有する・しないだけでなく、保有台数の増加も伴っている。特に1500万円から2000万円における「3台以上が5.0%」との値は注目に値する。なお2000万円以上でイレギュラー的な減少が起きているが、原因は上記の通り、該当母数の少なさによるぶれと、高齢者が構成員に多いことによるもの。
日本国内でも大規模展開を始め、今では雑誌同様にお気軽にネット通販で購入できるようになったアマゾンの電子書籍リーダー「Kindle」は、その多くがアンドロイドOS搭載のタブレット機としても活用できる。またそれ以外でも、特にアンドロイドOS系では安価なタブレット機が多数登場し、タブレット機の所有ハードルを押し下げている。一方でiOSのタブレット機「iPad」はそのブランド力をさらに高め、「安心のタブレット型端末」としてセールスを拡大中。
今はまだ世帯ベースでも2割程度のタブレット端末。しかし今後さらに飛躍する可能性は多分に占めている。特に子供向けの玩具、情緒教育端末として注目を集めており、その裏付けとなる保有率・利用率のデータが次々と確認されている。おもちゃ売り場の商品としてもスマートフォンと並び、タブレット型端末を模したものが出てくる状況は、さらなる飛躍を確信する証拠の一つともいえよう。
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