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『週刊文春』が掲げたすごい見出し!『週刊新潮』ともども悠仁さま愛子さまめぐり投じた一石

篠田博之月刊『創』編集長
『週刊文春』8月15・22日号(筆者撮影)

『週刊文春』が見出しに掲げた「異例の成績」とは

 新聞・テレビが発表モノしか報じないため、週刊誌の独壇場となっているのが皇室報道だが、『週刊文春』『週刊新潮』が相次いで一石を投じる特集記事を掲げている。

 特に8月8日発売の『週刊文春』8月15・22日号が何ともすごい見出しだ。

「筑附で『異例の成績』悠仁さまの”真実”」

 大学進学を控えた秋篠宮家長男の悠仁さまが通う筑波大学附属高校の関係者が、記事中で、匿名でこう語っている。

「じつは高校側は、悠仁さまに頭を悩ませている」「目下の問題は、学業成績についてです。悠仁さまは、率直に申し上げて“異例の成績”なのです」

 そもそも筑附は全国でもトップクラスの超進学校だから、学校全体の水準が高いのだろう。だが、それにしてもこの関係者はこうも語っている。

「この成績だと授業についていくのは難しく、ご本人も苦しい気持ちを抱えておられるのではないか」

 授業についていくのが難しいほどの「異例の成績」だというのだ。といっても発言を裏付けるデータが示されているわけでないから果たして実態はどうなのか、この記事だけでは不明だ。しかし、いずれにせよ、その「異例の成績」を見出しに使うのはすごいと言えよう。

 昔だったら、右翼団体が「不敬だ」と抗議したかもしれないし、かつて『週刊文春』が美智子さまへのバッシングを連続して記事にした時には同社社長宅に右翼メンバーが発砲した事件もあったが、そうならないのは皇室タブーをめぐる状況がそれだけ変わってきたということなのか。「開かれた皇室」を掲げた宮内庁や皇室の取り組みが功を奏しているということかもしれない。

 もっとも同記事では、悠仁さまへのそういう記述の後、ノンフィクション作家の保阪正康氏がこう語っている。

「天皇に受験勉強は必要ありません。それ以前に、悠仁さまにはもっと学ぶべきことが沢山あるはずです」

 そしてこうも言う。「悠仁さまの教育は迷走していると言わざるを得ません」。

 宮内庁の帝王教育の方向性が定まっていないことが一番の問題だというのだ。

『週刊新潮』8月15・22日号(筆者撮影)
『週刊新潮』8月15・22日号(筆者撮影)

『週刊新潮』が報じた「学校推薦型選抜」とは

 そうだとすると悠仁さまの大学進学がどうなるか気になる人もいるだろうが、それについては『週刊新潮』8月15・22日号が「夏休み“大人のお膳立て”で整った悠仁さま『東大合格』」という記事を掲載している。

 その中で匿名のジャーナリストが、こんなコメントをしている。

「学校推薦型選抜が東大に導入されてから9年」「当初から悠仁さまの受験を見越した制度であり、だからこそ悠仁さまも小学生の時分から、この推薦入試に焦点を合わせてお好きな活動を続けることができたと言えます」

 つまり「異例の成績」であったとしても、東大に入ることが学校推薦型選抜の仕組みで可能になっているのではないかというわけだ。

 いずれも一石を投じる記事だ。

「愛子さまの危うい兆候」報道と『女性自身』の反論

 さらに『週刊文春』については8月8日号「愛子さま遅刻連発で迫る母娘シンクロの悪夢」も波紋を広げている。日本赤十字社に就職し、新社会人となった愛子さまの遅刻の実例や単独公務が少ないことを指摘した記事だ。

 記事中で匿名の宮内庁関係者がこう語っている。

「愛子さまの危うい兆候の一例が、遅刻です。じつは新社会人生活がスタートする前後で、愛子さまは遅刻を連発してしまったのです」

 雅子さまも適応障害で昼夜逆転の生活が続き、遅刻癖があるのだが、それが「母娘シンクロ」になっている可能性があるというのだ。

 また愛子さまは単独公務が少なく、新社会人になった時点での眞子さんに比べて約3分の1とも指摘しているのだ。

『女性自身』8月20・27日号(筆者撮影)
『女性自身』8月20・27日号(筆者撮影)

 実はこの記事に対して『女性自身』8月20・27日号が「愛子さま『誹謗に負けない』祭祀にも隠れ奮闘」という反論記事を掲載している。記事中で静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏がこう発言している。

「愛子さまが社会人となられて、まだ4カ月。この時期に、まるで“あらさがし”のような記事が報じられていることは非常に残念です」

 他誌の報道を見出しで「誹謗」と言い切ってしまうのも考えてみればすごいことだが、ここで“あらさがし”記事と批判されたのは『週刊文春』ともうひとつ、『女性セブン』8月8日・15日号「愛子さまに『公務させない』許されざる圧力」だ。

 同誌の記事中で匿名の宮内庁関係者がこう語っている。

「愛子さまの皇室のご活躍が極端に少ない背景には、9月に成年を迎えられる悠仁さまへの配慮および、あり得ない『女性天皇』隠しの動きがあるといいます。政治サイドからは『目立つ公務をさせない』という許されざる圧力もあるのではないでしょうか」

 愛子さまの単独公務が減っているのは、それが「女性天皇」の動きにつながることを怖れた政治サイドの思惑によるのではないかというのだ。

愛子さまの公務をめぐる議論

 いずれにせよ2誌が愛子さまの単独公務が少ないと報じたことに対して『女性自身』では小田部氏が「ご公務は数が多ければよいというものではないと思います」などと反論。愛子さまが多くの祭祀に参列していることが紹介されている。

『週刊文春』や『週刊新潮』などの報道は、いささか率直すぎるゆえに波紋を広げたが、愛子さまと悠仁さまをめぐるこうした報道は、天皇後継問題をめぐる議論と関わっているがゆえだ。その問題に直接関わる2人の状況だから、関心を持たれるのはある意味で当然かもしれない。

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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