【韓国雑学】韓国にもお盆休みはある?帰省ラッシュの大渋滞が“名物”「秋夕(チュソク)」とは
日本はお盆休みに入りました。韓国にも「秋夕(チュソク/旧盆)」という日本のお盆に近い行事があります。
今回は秋夕について、「長男のお嫁さんは大変」なんてことも耳にする、その所以とともにお伝えします。
■秋夕(チュソク)とは
秋夕は、旧正月(ソルラル)と並ぶ韓国の代表的な名節(ミョンジョル)=国が定めた休日・記念日です。秋夕当日は旧暦の8月15日で、その前後1日も祝日となります。ご先祖様に1年間の豊作を祈り感謝する行事です。
~2024年の秋夕はいつ?~
2024年は9月17日(火)が秋夕の当日です。土・日曜を含めると、9月14日(土)から9月18日(水)までの5連休となります。
■秋夕にすること
家族や親戚が故郷で一堂に会し、秋の収穫に感謝してご先祖様にお礼をする儀式を行ったり、お墓参りをしたりします。また、古来の風習として、昔は民族遊びをして過ごしたそうです。
茶礼(チャレ)
旧正月や秋夕などの名節の朝に執り行うご先祖様の霊を迎え入れるための祭礼です。お供え物を並べた茶礼床(チャレサン)の前で、深くお辞儀(クンジョル)をします。
墓参り(ソンミョ)
茶礼を終え朝食が済んだら、お墓参りに向かいます。
秋夕当日を前に、お墓の周囲を清掃しておく習慣もあります。これを伐草(ボルチョ/草刈り)といいます。
松餅(ソンピョン)作り
秋夕の前日には、松餅を作る家庭もあります。松餅はうるち粉を水で練り、小豆や栗、ごまなどの餡(あん)を入れて、松葉を敷いた蒸し器で調理した小さなトック(餅)。ジョン(日本ではチヂミと呼ばれる)とともに、秋夕に食べられる代表的なものです。
贈り物
日本におけるお中元やお歳暮のように、日ごろお世話になっている方々に贈り物をする風習があります。秋夕が近づくと、デパートや大型マーケットには特設売場が設けられます。贈り物の中身は多岐にわたり、食べ物(海苔や伝統菓子など)から日用品(商品券やシャンプー、石けんなど)までさまざまです。
■帰省ラッシュ=高速は大渋滞
秋夕の連休が始まる数日前から、ニュースでは渋滞情報が伝えられ、帰省ラッシュがスタートします。ソウル駅(日本でいう東京駅)や江南(カンナム)にある高速バスターミナルは人、人、人。地方(故郷)に向かう高速道路も大渋滞。この光景は、日本のニュースでも見かけることがあるかもしれませんね。
■“長男の嫁”は大変?
私(筆者)が韓国語を勉強し始めたころ、「韓国の女性は長男とは結婚したがらない」というようなことを耳にしました。秋夕といった名節で準備に大忙しなのは、奥様たちです。家族(血縁関係)を重んじる韓国、親戚が多く集まる席で料理などを準備するのは大変な作業です。そのプレッシャーが大きすぎることから、そういわれているようです。
最近は時代とともに変化し、帰省しない人も増えているといいます。とはいえ、伝統的な風習であるので、連休を故郷で過ごす人が多いのも事実。そのため、秋夕連休に入ると、繁華街は人通りが少なくなります。秋夕の時期に韓国旅行をする方は、お店が閉まっていることもあるので注意が必要ですね。特に、観光地以外の場所に行かれる方は、あらかじめリサーチしておくことをおすすめします。