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『ロッキー』の続編『CREED』の見どころ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
ティムをインタビューする著者、このジャケットと同じものが、スクリーンに映る

「俺、2度頼んだんだよ。『CREED』に出演したい」って。でも、返事は無かったな」

フィラデルフィア出身の元世界ヘビー級王者、ティム・ウィザスプーンはそう言った。前々回にも記したが、虚像ではなく真のチャンピオンの苦しみを知った身としては、やるせなくなる…。

『レイジングブル』『シンデレラマン』『ミリオンダラーベイビー』そして『ロッキー』と、主人公は必ず白い肌を持っている。そうでなければ大衆向けの映画として成立しないのだ。

ただ、今回の『CREED』で唸った部分がある。アポロの息子と老いたロッキーが本格的にトレーニングを始めるFront Street Gymを訪ねたシーンだ。ジムに、この写真で私が着ているKRONKジャケットが置かれていた。

KRONK---古くからのボクシングファンなら忘れられない文字だろう。故エマニュエル・スチュワードが率いたチームで、トーマス・ハーンズ、ミルトン・マクローリー、若きマイケル・モーラー、そしてレノックス・ルイスなど数々の世界チャンピオンが名を連ねた。

ハーンズの時代は赤がベースだったが、ルイスが2度目の世界ヘビー級王座に就いた頃から、紺バージョンが作られ、私もプレゼントして頂いた。

それが映画に出てくるなんて、制作者もかなりボクシング界を探究したものだと驚いた。また、どこか心が温かくなった。 

●ご覧になる方は、目を凝らしてご確認ください。ほんの一瞬ですので。

※私、来週の月曜日(14日)にトークショーを行います。興味のある方は、是非お越しください。無料です。もちろん、Boxingの話もございます。お待ちしております。  

https://www.shosen.co.jp/event/24914/

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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