5月の紫外線 真夏並みの強さは本当か
天気予報では様々な生活情報を扱いますが、そのひとつに紫外線があります。5月の日差しは心地よく、オフィスやテレワーク中心の生活では日焼けにはまだ早いと思ってしまいます。5月の紫外線はどのくらい強いのでしょう?本当に真夏並みの強さなのでしょうか。
5月の東京 そろそろ紫外線対策を
日焼けをした経験は誰もがあるでしょう。紫外線の強さと人体への影響を指数化したものがUVインデックス(UV指数)です。これは世界保健機関(WHO)が中心となって作られた世界共通の指標で、日本でも紫外線情報に使われています。
WHOの指針では日焼けを防ぐための有効な手段として、日陰、衣服、帽子を挙げていて、子どもはとくに気をつけてあげて欲しいとしています。
ただ、UVインデックス3未満では対策の必要はほとんどありません。紫外線対策はUVインデックスが3以上から、しっかりと行う必要があるのはUVインデックス8以上です。
例えば、東京の場合ではUVインデックスがピークとなるのは7月~8月です。5月は平均するとUVインデックスが5程度で、晴れた日はUVインデックスが6~7くらいになります。
7月の東京 月の半分は外出を控えて
さらに、UVインデックスが8以上では日が高い時間帯は外出を控えた方がいいとされています。UVインデックス8以上の日を5月と7月で比べると、圧倒的に7月が多くなりました。7月は月の半分程度、もしくは梅雨明け後は紫外線が非常に強いことがわかります。
紫外線に注意すべき3つの時
5月は外出を控えるほど紫外線が強い日は少ないけれど、日々の生活のなかで紫外線を意識し始める時季と言えそうです。では、これからの時季、どんなときに紫外線に注意したらいいのでしょう。
晴れた日はもちろんですが、空にちりやほこりが少ないときも紫外線は強くなります。ちりやほこり(エーロゾル)により、紫外線が2割くらい減衰するからです。雨上がりの翌日は澄んだ青空が広がるため、要注意です。
もうひとつは太陽の高度が高くなるときです。夏至のころは太陽が一年で最も高い位置にあるため、梅雨の晴れ間の紫外線は強烈です。さらに、一日でいえば、日が高い11時~13時頃が一番強くなります。
オゾン層は回復しても紫外線は強いまま
気象庁の観測拠点である茨城県つくば市では1990年以降、UVインデックス8以上の日が増えていて、最近では年間50日程度あります。
世界的なオゾン層保護の取り組み(1985年ウイーン条約、1987年モントリオール議定書)により、紫外線を吸収するオゾン層は緩やかに回復に向かっているものの、地表に届く紫外線は強まる傾向にあります。原因のひとつに、空がきれいになり紫外線が届きやすくなったことが挙げられていますが、確かなことはわかっていません。
【参考資料】
気象庁:オゾン層・紫外線
気象庁:紫外線の経年変化、2022年3月28日
気象庁:オゾン全量の経年変化、2022年3月28日
環境省:紫外線 環境保健マニュアル2020
世界保健機関(WHO):Global solar UV index-A practical guide-2002