「キスマイ」、成長できたのは大先輩2人のおかげ
この1ヵ月ほど、新曲リリースや新番組、番組枠移動、そして新CMのオンエア開始……と、「Kis-My-Ft2」のメンバーにインタビューする機会が多かった。
4年前の2月、コンサートのMC中に、ジャニーズJr.の安井謙太郎くんがステージまで持って来た茶封筒内に、ジャニー喜多川社長からの「今夏デビュー」なる赤文字のメッセージが。ステージ上でメンバー7人が「よっしゃー!」と拳を上げたのは、DVDにも収録されている名場面である。
高級スーツをプレゼント
彼らに聞いてみると、この4年でもっとも変わったメンバーは二階堂高嗣くんだという。「ルックスから何から全て変わった」と全員一致だった。
そして、メンバーが一番感謝している人を聞くと、多くのメンバーが「SMAP」の中居正広くんの名前を挙げた。特に、中居くんプロデュースですでに3曲をリリースしている“キスマイの後ろの4人”こと「舞祭組」は、「中居さんがいらっしゃらなかったら、いまの僕たちはいない」と目を潤ませる。
その中居くんから「舞祭組」メンバーは高級スーツを贈られたのだとか。メンバーそれぞれ異なるブランドのスーツだったそうで、「家で一回、袖を通しましたけど、もったいなくて外ではまだ着られません」「でも、どこのブランドかは言えません」「自分では買えません…ということだけは言えます」と、どうしても教えてもらえなかった。きっと、ラグジュアリーブランドのスーツなのだろう。
中居くんに言われれば…
「舞祭組」だけではない。中居くんがMCをする番組で、代打をすることも多いのはキスマイ最年長の北山宏光くんだ。3月30日にオンエアされた『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の大運動会でも、TEAM中居のキャプテン・中居くんから、「お前、分かってんだろうな」「そこで、でんぐり返し、しろよ」と言われた北山くんは、TEAM稲垣に所属しながら、透明の大玉転がしスタート直後、観衆の前で、でんぐり返しをして見せた。
もちろん、そのことは本番でも、翌朝の『めざましテレビ』(フジテレビ系)でも話題となり、いわゆる、“オイシー結果”となったのである。
バラエティーの“いろは”をたたき込まれた
しかし、キスマイには、ファンの皆さんやスタッフ、先輩らの他にもう一人、感謝しなければならない人がいる。それは、「よゐこ」の濱口優さんではないだろうか。
キスマイ初のレギュラーバラエティー番組『濱キス』(テレビ朝日系)で、濱口さんから、とことんバラエティーの“いろは”をたたき込まれた。
たとえばそれは、声を上げたり、立ち上がったりして大げさに表現するリアクションだったり、食リポの時のコメントや表情、いわゆる“箸あげ”。さらには、バラエティーで、何を“オイシー”とするのかを教えてもらったのである。
だからキスマイは、アイドルなのにリアクション時に立ち上がるし、全身を使って笑うし、芸人がしゃべっている時は待つし、クロストークをしないし…と、バラエティー専門作家の私から見ても、及第点以上の結果を常に見せてくれる。
その濱口さんとの番組の進化形とも言える『キスマイGAME』(テレビ朝日系)では、濱口さんはいなくとも、7人で十分におもしろくやれていたし、4月から『SMAP×SMAP』に続いてのオンエアとなる『キスマイBUSAIKU!?』 も、VTRでもスタジオでも、しっかり笑いがとれるように成長したのである。
CMでも“濱口効果”が!
そしてCMも、である。昨年に続いてキャラクターとなっている興和株式会社の『ウナコーワ虫よけ当番』は、『ホッカイロぬくぬく当番』を含め、3シリーズ目となるが、アイドルとして「心配だな…」「窓の開けっ放し」と北山くんと藤ヶ谷太輔くんがマイクを通して語りかけ、続いて玉森裕太くんが「ぶら下げないとね」と続ける。
さらに、「舞祭組」の4人が、こくりとうなずき、玉森くんの「コイツを」で、虫よけ当番のアップが。この“パターン”は、シリーズ1作目からのものだが、こうしてオチのあるCMに出て、「王子様としてのキスマイ」と「おもしろいキスマイ」を演じられるようになった。
実はこうしたパターンも、芸人の中でもっともモテモテで優しい男性として有名でありながら、『いきなり黄金伝説』(テレビ朝日系)のサバイバル生活での「獲ったど~」をはじめ、身体を張り、笑いをとる濱口優さんに約2年、みっちり教え込まれた賜物(たまもの)だと、私には思えてならないのである。
ちなみに、『ウナコーワ虫よけ当番』は、最後の決めポーズがいつも難しく、今回は、いま開催中の「NEWS」のツアーの振付も担当する「振付稼業 air:man」の指導のもと、手の動きで虫を表現した。わずか数秒間のシーンだが、休憩時間にも自主トレを重ねて一糸乱れぬ決めポーズを完成させた「Kis-My-Ft2」のメンバー。あ、これは濱口優さんのお陰ではなく、彼らの努力の賜物だ。