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「千鳥」「かまいたち」も感心しきり!歌心りえに大注目

山田美保子放送作家・コラムニスト・マーケティングアドバイザー
注目の歌心りえさん(写真提供:すべて所属事務所)

 11月17日に放送された『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)3時間スペシャルにおいて、企画「サビだけカラオケ」のラストを“鬼レンチャン”(ノーマルモード)達成で飾って見事100万円を獲得した歌心りえが、音楽業界の話題をさらっている。

―韓国のテレビ番組から人気に火がつく

 千鳥の大悟は、「(芸人で言うなら)『爆笑問題』みたいなことやね」と、「歌心」という芸名に、まず興味津々だった。

 長年その歌唱力に定評がありながら、30年もヒット曲に恵まれなかった彼女が50代にしてプチブレイクしたのは、今年4~5月に放送された韓国のテレビ番組『韓日歌王戦』がきっかけ。歌心は、中島美嘉の「雪の華」や、さだまさしの「道化師のソネット」を歌い、圧巻の歌唱力で話題をさらった。

 9月21日には凱旋ライブを開催。3人組ユニット「September」のボーカルとして出演を告知すると、定員40名のチケットは即日完売。夫が経営する東京・下北沢のライブハウス『空飛ぶこぶたや』で12曲を歌い上げた。

―実力に見合った知名度へ

 そんな歌心に対して、『千鳥の鬼レンチャン』スタッフはオファーし続けていたという。

 来年には、『韓日歌王戦』の日本バージョン特番がフジテレビで放送される予定となっている中、認知度を上げるためにも『千鳥の鬼レンチャン』出場は必須と考えられた。

 同番組出演で一気に知名度を上げ、人気者の仲間入りを果たした、ほいけんた、徳永ゆうき、彩青らに続いてほしいと願う関係者も少なくなかったという。

 だが歌心は、「歌は心」「心を伝える歌」「ハートで歌う」をモットーに活動し続けて30年。機械的なリズムと音程のみを採点対象としている“鬼レンチャン”の出演依頼に対し、自分が大切にしている歌い方とは違う…と当初は断っていたそうだ。

―愛娘、そして夫からの言葉

 それでも出場と相成ったのは、40代になってから授かった一人娘が同番組の大ファンで、「出てほしい」と懇願したから。

 4年前、歌心が声帯を傷めて声を失い、2年の休養を余儀なくされて“引退”の二文字が心によぎった際にも、「お母さんの歌が大好き」「お母さんの歌をみんなに届けて」と励まし続けてくれたのは娘。

 そして「あなたには歌しかないでしょ」と言い、支えてくれた夫だった。

 そんな愛娘と夫への感謝の想いをこめて、ついに『千鳥の鬼レンチャン』のオファーを受けたのである。

 「トロット・ガールズ・ジャパン」のオーディションにも年齢制限がなく、「最後のチャンスかもしれない」と受けた歌心は、“鬼レンチャン”でも女性では初の50代超え歌手として見事、10曲を歌いきった。

 彼女が曲を選んだり、正確に歌いきったりするたびに、

「歌手で売れるのって大変なんやな。こんなに上手いのに」(千鳥・大悟)

「めっちゃうまいなこの人、マジで」(かまいたち・濱家隆一)

「うまいなぁ」(かまいたち・山内健司)

「オリジナルのも聞きたくなった」(千鳥・ノブ)

 …などなど、感心しきりだった「千鳥」と「かまいたち」。

 「無名からの人生逆転劇」を始めとする煽りナレーションにも、「かっこいいかあちゃんやね」「ほんまに感動した」「(ノーマルモードで10レンチャンを達成した者が挑戦する)“鬼ハードモード”いく(=達成する)の、この人ちゃう?」などとコーフン気味だった。

 同日のX(旧・Twitter)でも話題を独占し、11月21日放送の『MUSIC X』(BS-TBS)では山口百恵の「いい日旅立ち」を歌って、また「うまい」と大評判だった。

―NHK「紅白歌合戦」“特別枠の大穴”?!

 そんな彼女には今、大みそか『第75回 NHK紅白歌合戦』の“特別枠”での出演を熱望するファンの声が高まっているのだ。

 ファンだけではない。『AERA dot.』のインタビューに対し、“特別枠の大穴”としてズバリ、「歌心りえ」の名前を挙げたのは、芸能ジャーナリストの平田昇二氏である。

 曰く、「韓国での大ブレイク」「K-POP狙いの若い世代の視聴率を引っ張るのであれば可能性はあり」「NHKはそういうコンテンツに対しても壁なく取り入れる風潮もある」。

 12月24、25日には『歌心りえのクリスマスライブ』が、夫の経営する『空飛ぶこぶたや』で開催される予定だが、それ以外にも今年の年末は忙しくなるかもしれない。

 「歌心りえ」の名前と歌声、早めにチェックしておいて損はなさそうだ。

放送作家・コラムニスト・マーケティングアドバイザー

1957年、東京生まれ。初等部から16年間、青山学院に学ぶ。青山学院大学文学部日本文学科卒業後、TBSラジオ954キャスタードライバー、リポーターを経て、放送作家・コラムニストになる。日本テレビ系「踊る!さんま御殿!!」、フジテレビ系「ノンストップ!」などの構成のほか、「女性セブン」「サンデー毎日」「デイリースポーツ」「日経MJ」「sippo」「25ans」などでコラムを連載。「ドデスカ+(プラス)ドデプラ」(名古屋テレビ)などに、コメンテーターとしてレギュラー出演している。

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