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新人監督の開幕連勝。福岡ソフトバンクの藤本博史監督は、史上最長まであと2連勝

宇根夏樹ベースボール・ライター
高橋由伸 JANUARY 23, 2010(写真:アフロスポーツ)

 福岡ソフトバンク・ホークスは、開幕から4試合続けて勝利を収めている。采配を振っているのは、新人監督の藤本博史だ。開幕カードは、同じく新人監督の新庄剛志が率いる北海道日本ハム・ファイターズをスウィープ。千葉ロッテ・マリーンズと対戦した4試合目は、延長戦を制した。

 開幕4連勝以上の新人監督は、藤本が13人目、あるいは12人目だ。人数の違いは、代行を経て就任した監督を含めるか含めないかによる。

 田邊徳雄は、2014年の6月初旬に埼玉西武ライオンズの一軍打撃コーチから監督代行となり、翌年に開幕5連勝を記録した。ちなみに、2014年の登録名は「田辺徳雄」だった。

 なお、戸倉勝城も、1959年の途中から阪急ブレーブスで指揮を執り、その翌年に開幕5連勝ながら、打撃コーチからの異動が、代行と監督就任のどちらなのかはっきりしなかったので、この記事では含めなかった。1960年の戸倉も含めると、開幕4連勝以上の新人監督は、今シーズンの藤本が14人目となる。

筆者作成
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 彼らのうち、その年にリーグ優勝を飾ったのは、藤田元司(1981年/読売ジャイアンツ)と伊原春樹(2002年/西武ライオンズ)の2人だけだ。ポストシーズン進出は、他に2人。梶本隆夫が率いた1979年の阪急は、プレーオフで前期優勝の近鉄バファローズに敗れた。高橋由伸が指揮を執った2016年の読売は、クライマックス・シリーズのファースト・ステージで姿を消した。また、仰木彬(1988年/近鉄)は、あと一歩のところでリーグ優勝を逃している。あの「10.19」だ。

 一方、4人の監督は、この年に勝ち越すことができなかった。中西太(1962年/西鉄ライオンズ)、岡本伊三美(1984年/近鉄)、若松勉(1999年/ヤクルト・スワローズ)に、田邊(2015年/埼玉西武)がそうだ。そこに、戸倉(1960年/阪急)を含めると5人。田邊と戸倉は、どちらも勝率.500ちょうどだった。さらに、開幕からの連勝を除けば、高橋(2016年/読売)も黒星のほうが多くなる。開幕4連勝後は、67勝69敗3分だ。

 ペナントレースは長く、新人監督の好スタートは――もちろん、好スタートを切ったほうがいいのは当然だが――必ずしも、シーズン全体の好成績につながってはいない。

 なお、新人監督による開幕から連敗については、こちらで書いた。

「現監督の「初白星」は何試合目!? 今年の3人は、藤本が開幕戦、立浪が3試合目、新庄BIGBOSSは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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