【富田林市】向陽台なおすけの絶品&高コスパカレーうどんランチ！カレーうどんが名物になった驚きの理由？

奥河内地域文筆家（河内長野市・富田林市）

10/28(月) 6:01

特定のジャンルのお店ではなく、その中でもある料理を名物にした方がお客さんにとっても楽しみが増えるような気がします。例えばタイ料理店と漠然とあるよりも、その中でグリーンカレーが自家製ペーストで作っているから名物だと聞けば、必然と興味を持ってしまうのではないでしょうか？

かつては、うどん・そば・丼店として開業した向陽台のなおすけさんも、あるときからカレーうどんが名物になったそうです。とても気になった私は、秋が深まり温かいものが恋しくなった先日、向陽台に足を運びました。

なおすけさんの場所を紹介しましょう。富田林病院のすぐ目の前にあり、金剛東中央公園やエコールロゼにも近いです。

こちらが店の外観です。カレーうどんがおいしいお店と聞きましたが、外観には「うどん、そば」と書いてあります。

こちらがメニューです。そば、丼物、ご飯もの、定食とあって、メニューだけ見るとお昼の定食屋さんという感じですが、その中でもやはりひときわ目立つのが「名物カレーうどん（750円）」です。

そのため専用のメニュー看板があります。三種のかつおだしと、北海道産昆布を使っていて、国産牛入りで、化学調味料は無添加とのこと。

訪問したのは平日のランチタイムです。通常のカレーうどんのほかにA定食、B定食が選べます。定食のうどんはミニサイズですが、カレーうどんのほかに昆布うどんや冷やしぶっかけうどん、蕎麦も選べます。

店内の様子です。カウンター席です。

小上がりのテーブル席もあります。

ドリンクメニューも豊富です。食べ物のメニューはうどん、丼、定食物が中心ですが、一品物もあるため、簡単な居酒屋利用もできるようになっています。

ということで注文してから待つことにします。

おしぼりも個性的で可愛らしいです。

待っている間、店内で見つけたものです。子どものお客さんが書いたのでしょうか？ちょうどファミリーの利用もあったので、そういう近隣のお客さんが多いようですね。

さりげなく、instagramを紹介しています。

料理が運ばれてきました。名物のカレーうどん（750円）です。

濃密度の高いカレーの中にうどんをはじめとする具材が浮いています。しばらくするとほのかにカレーの香りが鼻から入り込み、一気に食欲が増してきました。

じっさいにいただいたところ、まさしく正統派カレーうどんです。看板に書いていた通り、カツオと昆布という異なるふたつのうまみ成分が入っていて、うどんに絡みついたとろりとしたカレーとの相性がお見事！子どもでも許容範囲と思われる若干の辛みが風味のように程よく、息を突く間もなく美味しくいただきました。

こちらはA定食です。ミニカレーうどんをつけたものです。(1,280円）

この日の天ぷらは、海老と国産鶏肉がメインという豪華さでした。

海老をいただきます。揚げたてらしいサクサクした海老、中のぷりぷり加減も程よく、美味しくいただきました。

海老、肉と2種類の天ぷらがあって、それに冷ややっこ、ごはん、ミニカレーうどんと入っているのにこの料金、本当に高コスパ！至福のお昼を体験できました。

食後にお店の人にお話を伺いました。なおすけさんは、お父さんと娘さんのふたりでお店を経営しているとのこと。今年29年目を迎えました。

なおすけさんは外の看板に「うどん、そば」メニューには丼や定食があることから、本来は麺と定食屋さんとしてスタートしました。その中でもカレーうどんは人気メニューでしたが、当初は名物として前面に出ていたわけではありません。では、なぜカレーうどんが名物になったのか、それには驚きの理由があります。

ちょうど10年ほど前、エコールロゼのすぐ隣に丸亀製麺さんがオープンしました。これまで個人店として近隣のお客さんを相手にうどん、そば、定食の店をやっていたなおすけさんは、大きな危機感を抱いたといいます。「このままでは丸亀さんにお客さんが奪われてしまう」と。

その時、開業当初から評判のよかった「カレーうどん」を思い出しました。「カレーうどんに特化すれば、丸亀さんとの共存も可能ではないか」と考えたのです。丸亀製麺さんにもカレーうどんはありますが、どちらかと言えば釜玉、釜揚、ぶっかけなど、うどんそのものを楽しむメニューが強いという印象があります。そこで店主さんは美味しいと評判のカレーうどんを強化し名物化のため、素材や製法を見直しました。

その甲斐があり、近くに丸亀製麺さんがあってもなおすけさんは生き残り、10年後の現在も店が続いています。零細・中小企業が大手企業に対抗するために、ニッチな分野に特化して生き残りをかけるような話はよく聞きますが、なおすけさんは「カレーうどん」というニッチに特化して成功したといえるのではないでしょうか？