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当事者に聞くホンネ「ツイッターを使わない理由」

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ ツイッターに登録したが止めてしまう人も結構いる

つかみどころのない実態が「ツイッターにさよなら」を

今やFacebookやLINEなどと共にソーシャルメディア系サービスとして、日本でも大いに用いられるようになったツイッター(Twitter)。しかし今なお登録をしていない人、かつてアカウント登録をして使っていたが、止めてしまった人も少なくない。それらの人達の行動理由を探り、ツイッターの実情の一面を垣間見ることにする。

次以降のグラフはライフメディアのリサーチバンクが2014年5月に発表した調査「Twitter(ツイッター)に関する調査)」の結果を基にしたもの。今調査対象母集団では25.7%が現在利用中、12.9%がアカウントは無いものの閲覧はしている、59.1%が利用していない、そして2.3%は知らないと答えている。このうち、知ってはいるがアカウントを持たない人72.0%のうち、2割強の22.8%は「過去に登録をしたことがある」と答えている。全体比では16.4%。この人たちに「なぜツイッターを登録したのに止めてしまったのか」を聞いた結果が次のグラフ。

↑ なぜツイッター利用を止めて現在利用していないのか(過去に使っていた人限定)(複数回答)
↑ なぜツイッター利用を止めて現在利用していないのか(過去に使っていた人限定)(複数回答)

最上位項目は「つぶやくことがない」、次いで「面白さ・楽しさが分からない」「何をしたらいいのか分からない」。多分に「ツイッターとは何物か、よくわからない」という認識が強いことがうかがえる。ペイントソフトならお絵かき、ブログなら自己表現の場の構築と、サービス・ソフトウェアは多かれ少なかれ目的・構築対象が判明している。ところがツイッターにはそれに該当するものがない。要は「独り言をタイピングして、何が面白いの?」というところ。ざっくばらんに表現すると、ツイッターは「短文ブログと新規更新情報取得のRSSシステムを掛け合わせたような、疑似的チャットシステム、ミニブログ」で、要はブログのミニサイズと考えれば理解はできるはずなのだが。

「つぶやくのが面倒」「つぶやく時間が無い」との意見も多い。ツイートに割くリソースがもったいない・無いということ。これらツイッターの仕組みを理解した上で離れていく人は、どちらかといえば少数派に属するのが、ツイッター(離れを起こした人)の特徴ともいえる。

「不必要なのは使うまでもない」登録しない人の気持ち

一方、ツイッターに登録した経験が無く、今もしてない人達(全体の55.6%)に、なぜ登録しないのかを聞いた結果が次のグラフ。最多回答項目は「自分には不要」で、過半数に達している。

↑ なぜツイッターの登録をしないのか(利用したことが無い人限定)(複数回答)
↑ なぜツイッターの登録をしないのか(利用したことが無い人限定)(複数回答)

興味関心が沸かず、仕事や趣味で利用する機会も必要性も無い。ならば登録をする必要はどこにもない。ごく真っ当な意見である。これは見方を変えると、ツイッターの話題性・関心度はそれほど高いわけでは無いことが分かる。

「世界に自分のつぶやきを発信したいとは思わない」という意見も35.1%いる。ツイッターも結局はブログやウェブサイトと同じなのだが、ちょっとしたつぶやき程度の言葉を文章にしたため、第三者にお披露目する必要性を覚えないと考えるのも納得はいく。「自分には不要」と意図するところはさほど変わらない。

一方、「面白さ・楽しさが分からない」「サービスの内容がよくわからない」との意見も多い。これは上記「かつて使っていたが離れた」人達の理由の上位を占めている。ツイッターのつかみどころ無さ、ぼんやりとした目的・存在理由は、既存の利用者離れだけでなく、参加予備軍をも敬遠させている。

日本にツイッターの本格的な浸透が始まってからすでに4、5年が経過したが、今なお「なんだかよくわからないもの」的なイメージを持つ人が多いことが、今件調査からもうかがえる。しかしその「つかみどころの無さ」にこそ、ツイッターの魅力を覚える人もいる。利用登録に料金が発生するわけではないので、少しでも興味を持ち、そして幸運にも知り合いに利用者がいれば、一度その人に教えを請う形で使ってみるのも一興だろう。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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