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負け越してCS進出の球団は、そこから勝ち上がったのか。今年の読売は3位ながら借金1

宇根夏樹ベースボール・ライター
3位の読売は、アウェーで2位の阪神と対戦する(写真:ロイター/アフロ)

 読売ジャイアンツは、クライマックス・シリーズ(CS)が始まった2007年以降の15シーズンに、2度負け越している。67勝71敗5分(勝率.486)の2018年と、61勝62敗20分(勝率.496)の今年がそうだ。ただ、この2シーズンとも3位に位置し、CSに進出した。読売がCSへ進めなかったのは、72勝68敗3分(勝率.514)で4位の2017年だけだ。昨年のセ・リーグはCSがなかったが、読売はリーグを制し、日本シリーズに進出した。

 レギュラーシーズンに負け越しながら、CSへ進んだのは、2018年の読売が5球団目。今年の読売は、6球団目となる。どの球団も、セ・リーグの3位だった。CSが始まる前の3シーズン、2004~06年にパ・リーグが実施したプレーオフには、2005年に67勝69敗0分(勝率.493)で3位の西武ライオンズが進出しているので、それを含めると7球団だ。

 これまでの6球団のうち、半数の3球団は、CS(あるいはプレーオフ)の最初のステージで2位の球団を倒している。2013年の広島東洋カープと2016年の横浜DeNAベイスターズに続き、2018年の読売も、4対1と4対0で東京ヤクルト・スワローズに連勝し、次のステージへ進んだ。この時の2試合目は、菅野智之がノーヒッターを達成した。

 ただ、レギュラーシーズンに負け越し、CSに進み、そこで2ステージとも勝ち抜いて、日本シリーズに進出した球団はない。最初のステージを制し、次のステージへ進んだ3球団の勝敗の合計は、ディスアドバンテージの1敗――リーグ優勝の球団に与えられるアドバンテージの1勝――を除き、1勝9敗だ。2016年の横浜DeNAは白星を一つ挙げたが、2013年の広島東洋と2018年の読売はスウィープされた。ちなみに、この3度のうち、2013年と2018年の対戦カードは同じ。それぞれの順位が違った。

筆者作成
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 今年のCSで、読売は2位の阪神タイガースと対戦する。菅野は、第1戦のマウンドに上がる予定だ。今シーズン、阪神戦の登板は3試合。いずれも7イニング以上を投げ、9月19日が1失点、9月25日が3失点、10月13日は2失点だった(自責点は、3試合とも失点と同じ)。各試合のスコアは、読売の8対1、0対3、2対2だ。

 なお、各球団がCSに何度進出したかについては、こちらで書いた。

「各球団のCS進出回数。読売は今年が13度目、オリックスは3度目」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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