【赤穂市】3月14日は赤穂にとって特別な日!花岳寺で義士の追慕を。黒猫四十七士にもあってきて!
3月14日って赤穂では特別な日。何の日かご存知ですか。ホワイトデーじゃあありませんよ。赤穂事件発端の日。つまり、江戸城・松の廊下で、浅野内匠頭が吉良上野介に斬りつけ、即日切腹に処された日。内匠頭の命日です。菩提寺である赤穂市加里屋の花岳寺では、毎年法要を執り行っています。それに合わせて、今年も追慕の意味合いも込めブラックキャッツの展示も行っています。
赤穂藩歴代藩主の菩提寺・花岳寺
花岳寺は、赤穂藩祖・浅野長直公が開祖である曹洞宗のお寺で、赤穂藩歴代藩主浅野家・永井家・森家の菩提寺です。
境内には義士墓所や義士木像堂などもあり、義士のお寺として有名です。
浅野内匠頭の命日に合わせ追慕の展示
本堂に入って、左手に進むと黒猫四十七士が並んでいます。
赤穂の伝統工芸品、赤穂緞通の上に置かれた三宝に乗った黒猫ちゃんたち。
討ち入り後、切腹した義士たちを表現していて、切腹時の正装、浅黄色の裃を身につけ、三宝の上に座り、それぞれの辞世の句が添えられています。
これだけ並ぶと圧巻ですよ。
コロナ禍なので、マスクを着用した黒猫たちもシュールで面白いですよね。
これらを手がけたのは、デザイナーのマサミマエカワさん。
『The47BlackCats』として黒猫をキャラ立てしています。
女子美術大卒業後、10年間、東京でグラフィックデザイナーとして広告雑誌関係の仕事をしていたマエカワさん。帰郷し赤穂で展開している義士関連のお土産が少ないし、若者向けのものがないなあと思ったそうです。2002年の「忠臣蔵300年祭」で何かの形をと考え、黒猫のキャラクターを作りました。主君の仇討ちだけでなく、お犬将軍綱吉への抗議の気持ち=犬に対して猫、黒装束に身を包んで本懐を遂げた男たちの黒、縁起物=黒猫という図式からたどり着いた黒猫は、平面だけでなく粘土を使った立体キャラになったというわけです。
黒猫は石膏粘土で一体ずつ成形し、約2週間乾燥、磨きをかけた後、アクリル絵の具で色付けし、ニスで仕上げます。
これらの四十七体セットは、このほかに義士祭バージョン、ル・ポン音楽祭バージョンなど、全部で5セットあり、それぞれのイベント時に登場し、場を盛り上げます。
今回の切腹バージョン、真ん中は、もちろん大石内蔵助です。
裃の上着の襟には、それぞれの名前が書かれているという手の込みよう。
横に辞世の句を書いた短冊も添えられています。
名前と短冊の文字を書いたのは、マエカワさんのお母様。母子合作というわけです。
討ち入り後、義士たちは4つの藩に預けられるわけですが、その藩ごとに整列しています。
足軽の寺坂吉右衛門信行が討ち入り後に立ち退いているので、列を外して並べられています。
そんなところにも注目しながら、300年前に想いを馳せてほしいですね。
他にも、マサミマエカワグッズは、忠臣蔵のお話を分かりやすくまとめた絵本『赤穂義士物語』やクリアファイル、ポストカードなどがあり、こちらも本堂横の拝観受付の窓口で扱っています。
※グッズは、赤穂観光協会、赤穂市立歴史博物館、御崎ガラス舎、煉瓦屋Rなどにも置いています。
※絵本とクリアファイル、黒猫人形(2体)は、赤穂市ふるさと納税の返礼品にも採用されています。詳細はこちら!
他の作品にも注目
山門を入ってすぐ左のところにある「千手堂」の「花岳寺境内略図」も、マエカワさんの作品で、東京在住のイラストレーター、もりいくすおさんとの合作です。
こちらも義士の寺にふさわしいマップですよね。
他のバージョンもご紹介しましょう。
「ル・ポン国際音楽祭」では「令和だよ!全員集合」と題して猫だけでなくネズミも一緒に展示して、イベントを盛り上げました。
名前もおもしろい~!昭和感全開~~~
こちら4年前の義士祭のもの。
同じく花岳寺千手堂に展示しました。
一番後ろには、浅野内匠頭と吉良上野介も!
「忠臣蔵を知らない若い世代がますます多くなっています。黒猫キャラや展示に添えられたメッセージなども見ていただき、義士たちの想いを感じ取って欲しいですね」とマエカワさん。限りなく深いマエカワさんの郷土愛、忠臣蔵LOVEが感じられる作品です。
今回の花岳寺本堂の展示は、夏ごろまでする予定です。ぜひご覧ください。
The47BlackCats インスタ
花岳寺
住所:赤穂市加里屋1992
電話番号:0791-42-2068
拝観時間:9:00~16:00
拝観料:400円
※義士墓所・義士宝物館・義士木像堂は、拝観料が必要ですが、境内は無料参拝できます。
URL:https://kagakuji.jp/