日本における日本人数の推移をさぐる
日本の人口の動態(変化、動いている状況)の実情を推し量り、資料化することで施策の作成資料としたり、判断材料に用いることを目的として実施されているのが、厚生労働省の人口動態調査。出生や死亡、婚姻や離婚の状況などが詳しく調べられているが、人口そのものも精査の対象となっている。今回は人口動態調査の公開値を基に、日本における日本人の人口動向を確認する。国勢調査などで用いられる総人口(日本における日本人と外国人の合計)では無いことに留意が必要。
まず最初に示すのはデータを取得可能な1899年以降、確定報の最新値となる2017年分までの日本における日本人数の推移。
もっとも古い1899年時点の人口は4340万4000人。これが1912年には5000万人を突破し、1926年には6000万人、1936年には7000万人を超える。戦後に入って1968人には1億人を超え、2010年には最大値となる1億2638万1728人を記録。以降、人口は少しずつ減少し、直近の2017年では1億2464万8471人となっている。
これを男女別に見たのが次のグラフ。
戦前はほとんど男女差は無かったものの、太平洋戦争で大きく男性が減り男女差が開く。戦後に入ってからは女性がやや多い状態となり、1990年代以降はその差が開く形となっている。
この状況を分かりやすくするため、総数に占める男女それぞれの比率を算出した結果をグラフにしたのが次の図。
戦前はむしろ男性の方が多かった状態だったが、日中戦争から太平洋戦争に至るにかけて男性数が大きく減るに従い比率も下がり、1945年には女性比率はピークとなる52.92%を記録する。戦後は男女の差は大きく縮まるが女性が多い状態は継続し、1990年代からは再び差が開く形で女性比率が大きくなる傾向が生じている。公衆衛生の普及や医学の進歩に伴い寿命が延び、元々長命な女性がより大きな恩恵を受け、結果として長生きしている女性が多くなっているのが実情ではある。
日本の人口に関する長期公的調査は、他にも国勢調査や人口推計をはじめ、多数の調査結果が開示されている。今件人口動態調査もまた、それらの長期公的調査の結果の一つとして、覚えおく必要がある値に違いない。
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