自称ヤクザの日本人男 核物質を密売試みた罪で米N.Y.で起訴
ニューヨークの司法省は21日、ミャンマーから核物質の密輸を試みた疑いで、日本人の男を起訴したと、米メディアが一斉に報じた。
被告人は、ウランなどの核物質の密輸を共謀した疑いがある日本国籍のエビサワ・タケシ(60)。アメリカでは「自称ヤクザ」「日本を拠点とする犯罪組織のリーダー」「ヤクザの親分」などと伝えられているが、日本の警察当局は被告が暴力団の組員だった事実は確認されていないとしている。
同被告は2020年初頭から、ウランやプルトニウムなどの核物質をイランなどの国々が核兵器製造に利用できると信じ、ミャンマーからほかの国へ密輸しようとした罪などに問われている。
エビサワ被告と別の共謀者は22年4月、麻薬密売罪ですでに起訴されている。この2人を含む4人はニューヨーク市マンハッタン区の麻薬取締局(DEA)のおとり捜査で逮捕されており、現在は施設に勾留中だが、両者とも無罪を主張している。
DEAの覆面捜査を受けた男について報じた22年7月27日付の読売新聞によると、男は栃木県出身の海老沢剛で、高校を中退後に自営業を営む実家で働いていたが、近年は日本とタイなどを行き来し、タイではヤクザの組長を名乗っていたそうだ。また逮捕直前、周囲に「アメリカで億単位の金が入る大仕事がある」などと話していたとされる。
アメリカでは武器や麻薬取引の謀議などの罪は法定刑が10年以上の禁錮となる。
(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止