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金メダリストそしてアイアンマン!オランダ27歳の怪物。イェツェ・プラット横浜初来日で優勝。

佐々木延江国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表
リオで銅メダルを獲得したハンドバイクを漕ぐイェツェ・プラット (写真・内田和稔)

「オランダのイェツェってすごい選手がきますよ。日本にはちょっといない選手ですよ!」

最初に教えてくれたのは、同じクラスの日本代表の木村潤平だった。

横浜でフィニッシュするイェツェ・プラット (写真・山下元気)
横浜でフィニッシュするイェツェ・プラット (写真・山下元気)

すでに結果を伝えた通り、オランダのイェツェ・プラット(PTWC)は、初来日で高速レースを展開、横浜のコースを56分台でフィニッシュした。リオパラリンピックで金メダルを獲得、自転車でも銅メダルを獲得。その後、ハワイ・コナでのアイアンマンを26位で完走した。現在27歳のパラリンピアン、アイアンマン、プラットは超大物アスリートと言えるだろう。

ミックスゾーンでポーズをとってくれたイェツェ・プラット (写真・矢野信夫)
ミックスゾーンでポーズをとってくれたイェツェ・プラット (写真・矢野信夫)

トライアスロンの始まりはアイアンマン(スイム3.8キロ、バイク180キロ、ラン42.195キロ)で、どのパートも長く限界に挑戦する「鉄人スポーツ」として始まった。現在のオリンピック、パラリンピックでは、各大会で観戦しやすいよう考案されている。パラトライアスロンは、スイム750メートル、バイク20キロ、ラン5キロで「スプリント」と呼ばれる。

スプリントの特徴は競技中一瞬の休息も許されない、トランジッションも含めてトップスピードで全てをこなすことが求められる。同じルールでも距離が違えば全く戦い方が異なるスプリントの両極にあるのがアイアンマンと言える。

表彰式 (写真・秋冨哲生)
表彰式 (写真・秋冨哲生)

プラットは「昨シーズンはアイアンマンに集中しようとしていたんですが、結果的にトライアスロンでも4大会で優勝できた!」と、IPC(国際パラリンピック委員会)ニュースのインタビューに答え、コナとパラトライアスロン、長距離と短距離のファイナリストとして偉業を成し遂げたことが伝えられていた。

「天候もよく、完璧なレース運びだった。東京大会に向けて重要なレースであり、今日は勝ってできるだけポイントを稼ぐのが目標だった。スイムは9分半ぐらい、かなり早いタイムを出せた。バイクもよかった。自分でも得意だと分かっているけどね」ランでは同じオランダのライバル、ヘールト・スキパー(昨年優勝)が速く、プラットは2位だった。

ITU世界パラトライアスロンシリーズ初戦となった横浜でのレースを終えて明るい、自信たっぷりの表情で感想を話してくれた。日本へは初来日だという。

ミックスゾーンでインタビューに答えるイェツェ・プラット (写真・秋冨哲生)
ミックスゾーンでインタビューに答えるイェツェ・プラット (写真・秋冨哲生)

 ーー横浜はどうですか?

「本当にすばらしい。ヨーロッパとは違う文化で、大会はよく計画、整備されている。それに、早朝なのにコースを多くの人が囲んでくれていてよかった」

 ーー東京に向けてどんなふうに考えていますか。

「東京の方がリオよりも良さそうだね。また金メダルを取りたいと思っているよ。ハンドサイクリングとトライアスロンの両方で出場したい。ふつうに行けば、メダルは3つ取れるだろう。少なくともそのうち2つは金を取りたいと思っています。単に勝つということと、勝ち続けるということは違う。後者のほうがずっと難しい。そうできるよう努力していく。これから2年の間にまだまだやることがある」

(取材協力・潮田耕一)

<参考リンク>

アイアンマンに出場したイェツェ・プラット(Vemio.com/Walter Schellingerhout)

https://vimeo.com/239023215

国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表

パラスポーツを伝えるファンのメディア「パラフォト」(国際障害者スポーツ写真連絡協議会)代表。2000年シドニー大会から夏・冬のパラリンピックをNPOメディアのチームで取材。パラアスリートの感性や現地観戦・交流によるインスピレーションでパラスポーツの街づくりが進むことを願っている。

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