「森三中」大島の“妊活宣言”は時代を変える!
お笑いトリオ「森三中」の大島美幸(34)が1月31日に会見を開き、“妊活”のため休業に入ることを発表した。日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」の5月6日放送分が最後の収録で、継続中の一部の仕事を除き、一切の芸能活動を休止することとなった。
ボクが記憶する限り、芸人が“妊活”のために仕事を休むことを発表したのは、「ハイヒール」のリンゴ(52)以来2人目。これまでも、女優などが子づくりのために仕事をセーブすることはあったが、公表することはほどんどなかった。だが、大島の場合、日々、テレビに露出する芸人であると同時に、体を張った仕事も多い。マジメな性格であるため、中途半端な仕事の受け方もできず、休業を選択したものと思われる。
もっとも、大島の“妊活”宣言が、今という時代に与える影響は多大なものがある。安倍総理になって以来、女性の社会進出が大きなテーマになっているが、その一方で、少子化対策はほとんど進んでいない。子供をつくりたくても、仕事を休めない。つくったら、職場に戻れない。この現状が打破されない限り、多くの女性は仕事を取るか、子育てを取るかの選択に迫られてしまう。
芸能界ではタブーだった!?
芸能界の歴史を振り返ってみても、売れっ子がプライベートを優先して仕事を休むことは、ある意味、タブーとされてきた。商売である以上、当然、所属事務所はそう考えるし、芸能人本人も休んだ後に自分のポジションがちゃんと残っているかを考えると、なかなか決断できなかった。
そんな中で、今回の大島の決断には、ボクは感銘を受けた。ピンではなくトリオであることを考えても、簡単な選択ではないし、相方たちをはじめとする周りの理解もすごいと思う。
“アグネス論争”がきっかけで…
1987年、歌手のアグネス・チャンが第1子を出産。その直後、テレビ番組の収録に乳児を連れてきたことが騒動になったことがある。作家やコラムニストらが、「プロとして甘えている」「周囲の迷惑を考えていない」などと書きたて、マスコミでいろんな形で取り上げられた。
その後、アグネスが参議院の「国民生活に関する調査会」に参考人として呼ばれるという事態にまで発展し、“アグネス論争”は約2年間続いた。
この騒ぎがきっかけとなり、仕事を持つ母親の立場が再考されることとなった。最近、テレビ局に行くと、子供同伴のママタレは日常茶飯事で、ママの本番中はマネジャーやスタイリスト、番組スタッフが子供の面倒を見ている。
“イクメン”が企業を動かした
また、数年前、男性が子育てに積極的に参加する“イクメン”という言葉が生まれ、つるの剛士や杉浦太陽が育休を取ったことが話題となった。そんな影響から、父親の育休を認める企業が急増したことも間違いない。
あくまでも、ボクの実感だが、芸能界というのは時代の半歩先をいっている。芸能界でブームになったことは、少し遅れて世間で流行る。そうした観点から見ると、今回の大島の決断は今後の日本女性の生き方に好影響与える気がする。