【富田林市】町のあちこちお雛様だらけ!寺内町の雛めぐりは、ひな祭りを継続中。幻の御殿飾りもお目見え
2022年の桃の節句、ひな祭りは3月3日で終わってしまいましたね。雛人形を取り扱っているお店では、クリスマスのように翌日とは言わなくても、1週間以内に片づけるほうが望ましいと説明しているところが多いようです。
しかし、地域によっては異なり、新暦と旧暦の桃の節句の間、3月いっぱいは雛人形を飾るような習慣もあるようです。ところで寺内町では、例年、桃の節句から3月下旬くらいまでの間、町を挙げて雛人形を飾っています。
寺内町では「じないまち雛めぐり」として、今年は3月27日まで、町中に雛人形があふれています。これには、旧杉山家住宅など公的施設だけでなく、寺内町で営業しているお店も住宅も多数参加しており、個性豊かな雛人形を楽しめます。
この雛めぐりで、ぜひ見ておきたいのは「幻の御殿飾り」です。これは上の画像のような一般的な段飾りが主流になるまで、明治時代から昭和30年ごろまでに関西を中心に、主に西日本で見られた雛飾り。
今では博物館などで展示されているほど貴重な雛人形の形態です。この御殿飾りは、じないまち雛めぐりの期間中、重要文化財に指定されている杉山家住宅や田中家住宅など旧家で飾られています。
こちらが御殿飾りです。上段を見るとドールハウスのような御殿の中に雛人形を飾っています。これは平安時代の御殿をイメージして作られたもの。
人形を飾っているミニチュア御殿をよく見ると、詳細に再現されているのがわかります。
上段の御殿の部分を確認して見ると、御殿の外に飾られているのは随身(ずいしん)や仕丁(しちょう)と思われる家臣たち。御殿の上中央で演奏をしているのが五人囃子(ごにんばやし)ですね。
さらに画像左側の手前にいるのが三人官女(さんにんかんじょ)。その奥、御簾(みす)で、顔が隠れているのがもっとも高貴な存在、内裏雛(だいりびな)となっています。
内裏雛は天皇と皇后(中宮)なので、本来は最も奥の場所にいて、その手前に三人官女が守るようにいるというのは、より平安時代・王朝文化のリアルな雰囲気を感じますね。
杉山家住宅や田中家住宅などの旧家では、御殿飾りのほか、通常の段飾りなど歴史を感じる貴重な雛人形の数々を見ることができます。
このイベントで普段は建物を公開していない旧家のうち、日にち限定で雛人形を展示公開するところがあるので注意してください。
- 木口家(3月12・13日)
- 仲村家(3月13日)
- 佐藤家(3月13日)
そのほかの雛人形を見ていきましょう。これは寺内町発祥の寺院、興正寺別院の境内に飾られている雛人形。
寺内町交流館でも雛人形が飾られています。また3月10日まで「お雛様を作ろう」というワークショップを500円で行っており、取材したこの日も作業をしている方の姿がありました。
寺内町展望広場でも雛人形が飾られています。
また展望広場では、こちらにあるようなちりめん細工を、雛めぐりと同じ27日まで展示しています。
さて私は過去に寺内町で複数のお店に取材させていただきましたが、そのいくつかのお店でも雛人形を飾っておられます。こちらは23番地さん。
こちらはまめてんカフェさんです。
さらにこちら、非常にかわいらしい雛人形は、珈琲豆の平蔵さんの隣りにある。今昔の玉手箱さん(外部リンク)。
また以前ご挨拶をしたことがある陶工房飛鳥さん(外部リンク)のところも立ち寄らせていただき、雛人形を拝見しました。
このほかにも片っ端から寺内町の雛人形を見てきました。ただし、ここからはあえて場所を伏せさせていただきます。実際に訪問していただき、どこにあるか探してみてください。(ただし画像をよく見るとヒントになっているところも......)
お店の外、ガラスケースから見える三人官女。
本に囲まれたところに小さな雛人形があります。
こちらは定番とは一味違う独特な人形ですね。
普段日本的な雰囲気とは全く違うようなお店にも、このときは雛人形が飾られています。
建物の中ではなく、外に飾られているお雛様。
なんと、こちらにも御殿飾りがありました。
中にはあえて見えないように、格子の隙間から見える雛人形もあります。
寺内町の古い街並みと雛人形、相性が良いですね。
これは粘土細工でしょうか?
貝殻に描かれた内裏雛と小さな雛人形。
こんな風に壁に飾られているものも。見逃さないように探してみてくださいね。
ここまで横一列に並んでいると壮観ですね。
よく見ると衣装の部分も細かい文様が入っています。
井戸の上にも雛人形がありますね。
これは生け花ですが、花を雛人形に見立てて飾られています。
外の庭にも飾られていて、それが違和感ないのが素敵ですね。
ということで寺内町をくまなく回っていろんな雛人形を探してきました。「どこにあるのだろう」と、宝探しをしているようなワクワク感がたまりません。
ただ、上でも紹介したように日程が限定されている雛人形、お店が定休日のために見られないものもありました。ぜひ私の代わりに寺内町のお雛様を探してみてください。