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世界に誇るべき才能、ジャパンオリジナルな“宅録女子” に注目!

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
AZUMA HITOMI ライブ写真

世界に誇るべきジャパンオリジナルな“宅録女子”

1988年 東京生まれ。エレクトリックな“宅録女子”ながら、小柄でキュートな本格派シンガー・ソングライター、AZUMA HITOMI。ジャパンオリジナルなシンセポップ・サウンドを歌モノとして届けてくれる、厳選された極上のポップチューンを収録した濃縮7曲入り最新アルバム『CHiRALiTY』が6月25日にリリースされた。

せつなポップな楽曲のクオリティが高いので、まずは冒頭の「ユーアーライダー」、「free」、「プリズム」の3曲を聴いてみて欲しい。とくに「プリズム」で聴ける、圧倒的なキラキラ感の強い美しき泣きメロに注目して欲しい。

AZUMA HITOMI『キラリティ』
AZUMA HITOMI『キラリティ』

AZUMA HITOMI『CHiRALiTY』

1. ユーアーライダー

2. free

3. プリズム

4. 不在

5. 137

6. 食わずぎらい

7. スイマー

全曲視聴はiTunesストアで!

2014年6月25日発売〈BM tunes〉

【限定】オフィシャルサイトで購入すると『 直筆サイン色紙をプレゼント!!』

素粒子が持つ2種類の回転に関わる言葉

意味深なタイトルは、AZUMA HITOMIが興味を持っている量子物理学の世界で、素粒子が持つ2種類の回転に関わる言葉だそうだ。それは人の二面性のあらわれといった意味なのかもしれない。もちろん“キラリティ”なる、語感のよいキャッチーなタイトルであることは間違いないだろう。

矢野顕子への楽曲提供

昨年、AZUMA HITOMIは矢野顕子の最新アルバム『飛ばしていくよ』(2014年3月26日発売)にて、リード曲などアルバム制作に参加したことは記憶に新しい。きっかけは、AZUMA HITOMIがリリースした1stアルバム『フォトン』(2013年4月24日発売)を矢野顕子が気に入ったからだったという。ジャパンオリジナルな鬼才クリエイターによる世代を越えた邂逅が思わぬタイミングで実現したのだ。

プラスチックス「TOP SECRET MAN」をUST企画でカバー

なお、先日渋谷でおこなわれたAZUMA HITOMIのワンマンライブでは、ゲストに立花ハジメを招いている。

立花ハジメとAZUMA HITOMIのリハ風景をVineで

この直前にAZUMA HITOMIは、プラスチックス「TOP SECRET MAN」を、毎週木曜日に更新している、自身のUST生配信プログラム『じっけんじゅんびしつ』で披露し、アーカイヴでYouTubeに公開している。映像での手作り感ある可愛いくもクールなプチ・チープ感に注目あれ。

“個人クリエイターの時代”の発露を予感

世界的に人気なCHVRCHESやHAIMなど、キュートな女性ヴォーカルによるシンセポップ・サウンドがロックフェス界隈で注目を集めていることも同時代性として見逃せない。宅録つながりでいえば、バンクーバー出身のGRIMESとも存在感は近いように感じる。インターネットによる情報革命が生み出した“個人クリエイターの時代”の発露を予感させる、一歩進んだ“宅録女子”が生み出す最新鋭のサウンドに注目というわけだ。

話題の要塞ライブ

なお、注目すべきはAZUMA HITOMIのライブにおける、彼女を囲い込む要塞のような機材、そして自らプログラミングした“LED照明システム”と“自動キックマシーン”と呼ばれるステージ上空に設置された4機のドラムセットが、彼女の意思によって無機質にオートマティックに動き出すアクションだ。まさに日本ポップカルチャーが誇るメディアアートとして世界に誇るべきパフォーマンスだと確信した。テクノロジーとアートに理解のある企業は、彼女の活動を支援されてみてはいかがだろうか。

なお、要塞ライブの詳細は、カルチャーサイト『KAI-YOU』で特集されているのでぜひチェックして欲しい。圧巻の機材に驚くことだろう。それぞれの特徴をVineで解説されているのも見所だ。

KAI-YOU『AZUMA HITOMIのリハに潜入! 「要塞ライブ」の秘密に迫る機材紹介』

夢の世界を表現する魔法の図書館

AZUMA HITOMIの最新作『CHiRALiTY』では、まばゆく輝くシンセポップでエレクトロなテクノ使いに、情景を思い浮かばせる日本語歌詞をふんわりと溶け込ませている。解き放たれるサウンドはまるで、夢の世界を表現する魔法の図書館のような空気感を生みだしている。

2014年を代表する、SF=すこし・不思議な1枚!

ファンタジー性と、サイエンス的なリアリティの“SF=すこし・不思議”な融合。音楽はどんなカルチャーにも溶けあえるポップアートだが、本作は1曲1曲がまるで映画や小説、アニメーションのワンシーンをぐっと凝縮して伝えてくれる“魔法のあめ玉”のような印象を受けた。数分感で楽しめ、しかも繰り返しヘヴィローテーションできてしまうポップミュージックの特性を発揮した1枚に仕上がっている。まさに、2014年を代表するポップかつ、アーティスティックなアルバム作品であることをここに明言したい。

Amazon『CHiRALiTY』購入ページ

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音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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