7年連続PS進出の可能性がほぼなくなってもヤンキースが絶対に負けられない偉大すぎる連続記録の存在
【ヤンキースが8月15日以来の勝率5割復帰】
ヤンキースが現地時間9月5日のタイガース戦に5対1で勝利し、今シーズンの成績を69勝69敗とし、勝率を5割に戻すことに成功している。ヤンキースが5割に復帰したのは、実に8月15日以来のことだ。
8月は悪夢の9連敗を経験するなどどん底を味わっていたが、9月に入りア・リーグ西地区で熾烈な首位争いを演じているアストロズ相手の3連戦をスイープするなど、明らかに復活の兆しを見せ始めている。
だが勝利5割に復帰できたとはいえ、現在もア・リーグ東地区の最下位に沈み、ワイルドカード争いでも圏内のレンジャーズに7.5ゲーム引き離されており、7年連続のポストシーズン進出は限りなく困難な状況にある。
【ヤンキースが継続中のある連続記録とは?】
いよいよ山場を迎えるポストシーズン争いという点では、すでにヤンキースは蚊帳の外に置かれているかもしれないが、ただ個人的には今もヤンキースの成績に目が離せないでいる。
というのも、MLBでもかなり希有な記録継続の期待がかかっているからだ。
すでにご承知の方もおられるかもしれないが、ヤンキースは長年に渡りシーズン勝ち越しを続けている。最後に負け越しシーズンを記録したのは76勝86敗に終わった1992年のこと。以来30年連続でシーズン勝ち越しに成功している。
つまり9月のヤンキースには、この記録を31年連続に伸ばせるかどうかの大事な戦いが待ち受けているのだ。
【カージナルスは15年連続でストップがほぼ確定】
なぜ個人的にこの連続記録に注目しているかといえば、MLB史上でもかなり異次元レベルの記録だからに他ならない。
ちなみに現在ヤンキースが継続している30年連続シーズン勝ち越しは、MLB2位の記録となっている。1位は同じくヤンキースで、1926年から1964年までシーズン勝ち越しに成功した39年連続という途方もない記録が控えている。
ここまで説明してしまうと、現在の記録が色褪せてしまうかもしれないが、決して軽んじてはいけない素晴らしい記録なのだ。
3位以下の記録をチェックすれば理解できるのだが、3位のオリオールズでさえ18年連続(1968年から1985年)でしかないのだ。上位2つの記録がどれだけ突出しているかが分かってもらえるだろう。
ヤンキースの他には、カージナルスが2008年からシーズン勝ち越しを続け、現在15年連続まで伸ばしていたが、今シーズンはヤンキース以上に不振を極め、現在は60勝78敗でナ・リーグ中地区最下位に沈んでいる。あと4敗すれば連続記録は途絶えてしまう状況にある。
またドジャースも2011年からシーズン勝ち越しを続けているが、まだ12年連続でしかなくMLB全体でも18位タイに止まっている。
あくまで個人的な感覚でしかないが、39年連続というMLB記録に追いつける可能性があるチームは、現在のヤンキース以外一生現れないように感じてしまうほどの大記録なのだ。
【残り24試合中13勝すれば記録継続】
9月5日終了時点で、ヤンキースの残り試合は24。そのうち13勝できれば記録を継続することができるわけだ。
ちなみに残り試合の対戦相手は、タイガース(2試合)、ブルワーズ(3試合)、レッドソックス(4試合)、パイレーツ(3試合)、ブルージェイズ(6試合)、ダイヤモンドバックス(3試合)、ロイヤルズ(3試合)──となっている。
勝率5割以上で現在のポストシーズン争いを演じているブルワーズ、ダイヤモンドバックス、レッドソックス、ブルージェイズとの対戦を16試合残しており、これが運命のカギを握ることになりそうだ。
ちなみにMLB公式サイトの順位表では、ヤンキースは81勝81敗の五分になると予想している。この予想通り勝率5割で終わったとしても、記録は途絶えてしまう。
果たしてヤンキースは、連続記録を継続することができるのだろうか。