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4点差で明暗を分けた"プレイオフ前哨戦"

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
シクサーズのエース、エンビード。写真は2月12日のキャバリアーズ戦のもの(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現地時間3月16日、オハイオ州クリーブランドに建てられたロケット・モーゲージ・フィールドハウスは、1万9432人の観衆で埋まっていた。文字通りのソールドアウトである。

 

 東地区6位のクリーブランド・キャバリアーズのホームに、 同3位のフィラデルフィア・セブンティシクサーズが乗り込んでいた。現状のままなら、両チームはプレイオフのファーストラウンドで雌雄を決することとなる。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 地元ファンとしては、プレイオフ前哨戦で是が非でもシクサーズを叩いておきたいところ。またプレイオフとなれば、チケットの入手が困難となることから、必死で会場に駆け付けたファンも少なくなかったであろう。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ホームの大声援に後押しされたキャバリアーズは、22歳の若き司令塔、ダリアス・ガーランドを中心に終始アグレッシブなプレーを見せる。

 37分35秒プレーしたガーランドがチーム最高の22得点、シューティングガードの21歳、アイザック・オコロが17得点、セカンドユニットも含めて6名が2桁ゴールでトータル114得点した。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 キャバリアーズの戦い振りは決して悪くなく、明るい未来を感じさせた。しかし、シクサーズの力強さが、それを凌駕する。身長213センチのエース、ジョエル・エンビードは、34分31秒コートに立ち35得点17リバウンド。ズシリとした存在感でキャバリアーズに立ちはだかった。

 また42分7秒と、両チームを通じて最長の出場時間を与えられたジェームズ・ハーデンも、21得点11アシストと、早くもシクサーズにフィットしたことを示した。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 結局、118-114でシクサーズが勝利した。試合後、エンビードは語った。

 「我々は勝たねばならなかった。それが出来ていい気分だよ。でも、誰一人として満足はしちゃいない。今夜と同じように戦い続けねばならない」

 経験豊富なハーデンの加入により、シクサーズはプレイオフを控えてパワーアップしたと言えるだろう。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 試合終了5分19秒前に101-100でリードしていたキャバリアーズも、この黒星から学んだことは多い筈だ。若いチームなだけに、大化けする可能性も秘めている。

 

 4月16日からスタートするプレイオフ。順位変動は大いにあり得るが、このまま進んだ場合、最も見応えのあるカードとなりそうなのが、シクサーズvs.キャバリアーズだ。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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