Yahoo!ニュース

【土浦市】干支にちなんだ縁起の良いお茶を手土産に。老舗のお茶屋さんが教える本当においしいお茶5選

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

昨今のコーヒーブームに追い付け追い越せで今日本茶がブームになりつつあるのをご存じですか? 

日本茶に多く含まれるテニアンを「うま味」と呼んでいますが、このうま味が「UMAMI」として世界共通の公式用語になり、抹茶や煎茶が世界的なブームになりつつあるのです。

今おいしいお茶はどの産地のどの銘柄なのでしょう。

土浦市で130年以上の歴史ある老舗のお茶屋さん「お茶のせこざわ園」の瀬古沢和子さんに注目のお茶を教えてもらいました。

「お茶のせこざわ園」は創業130年の歴史を誇るお茶の老舗

土浦駅西口から徒歩5分ほどの好立地にある「お茶のせこざわ園」は、約130年の歴史あるお茶屋さんです。土浦駅の目抜き通りにあるので、この外観をご覧になっている方も多いのでしょうか。私もせこざわ園の存在は知っていたものの、勝手に敷居を高く感じていてお店の中に入る勇気がなかったのですが、この日本茶ブームに乗ってお伺いしないわけにはいきません。そんなわけでやっとお店の中へ。

お店の中はとても広々として、京都にありそうな風情あふれる趣もあります。恥ずかしいからと残念ながら今回写真を掲載しませんが、店舗に足を踏み入れると店員の瀬古沢和子さんが温かく迎え入れてくれます。

スーパーマーケットや量販店などで日本茶を買うことはありますが、正直にいうと日本茶のおいしさや魅力は今ひとつ分かりません。そんな素人中の素人の私にも分かりやすいように和子さんは「お茶の魅力ってこうなんですよ」「こんな効果があるんですよ」と教えてくださり、味の好みなどによってその人にあったお茶や飲み方も提案してくれます。

間違いなくおいしい! 「せこざわ園」が選ぶ 今飲みたいおすすめ日本茶5選

日本茶の魅力を知るためにはどのようなお茶を選ぶといいのでしょうか? 「お茶のせこざわ園」の和子さんに、今注目のお茶の産地、おいしさの特徴も教えてもらいました。

味・香り・色のバランスがすべて良し!

鹿児島産「おくゆたか」(100g1080円)

素人でありますが、ブームに便乗して日本茶の勉強をし始めたコイケ。日本全国で活躍する日本茶インストラクターの方にも教えてもらったのですが、和子さんも初めて飲むならすべてのバランスが整った「おくゆたか」だと話します。「鹿児島をはじめ、九州エリアのお茶がとてもおいしくなってきています。なかでもおくゆたかのおいしさは格別ですよ」

深い色味のお茶でまろやかな味わい

静岡産「掛川茶」(100g1080円)

お茶の主要産地といえば静岡県ですが、中でも掛川市で生産されるお茶は人気です。その人気の秘密は、 “深蒸し製法”を得意としている製茶場が多く、お茶の色がとても濃いのに飲みやすいからです。「味に深みがあるのに飲み口はまろやか。お茶ビギナーさんにぜひ飲んでいただきたいです」。

パッケージからしてお茶の王様的な貫禄ありあり!

静岡産「最高金賞受賞 茶師製造茶」(70g1080円)

いろんな種類のお茶が並ぶ中でひときわ異彩を放っていたのがこの金のパッケージのお茶です。和子さんも今一番おいしいと太鼓判を捺すお茶は、静岡県内の茶師による仕上げを競う大会で200点満点中なんと史上初の200点満点にて、堂々の1位を受賞した奇跡のお茶です。「味の奥行、香り、深い緑色、茶葉の美しさ。本当にどれをとっても完璧です」。

ティーバッグタイプだから急須がなくてもおいしく飲める

静岡産「静岡茶」(18包入り1080円)

ティーバッグというと紅茶のイメージが強いですが、近年は日本茶のティーバッグもあるんです。「昔から日本茶のティーバッグはあったんですが、味はぱっとしなかったです。でも最近のティーバッグはとてもよくなっていておいしいです。急須などの道具を揃えなくても飲みたいときにすぐ飲めるのもいいですね」。

年末年始の手土産は福を呼ぶ縁起の良いお茶を

静岡産「新春寅(はつはるのとら)」「招福来(しょうふくらい)(各100g1080円)

古くより新春に干支にちなんだものを味わったり、購入したりすると縁起がいいと言われています。来年の干支は寅年。お正月のご挨拶の際の手土産にも喜ばれそうです。また、招福来は金粉入りの煎茶。抹茶も含まれているのでお茶の色は濃いめ。表面にぷかりと浮かぶ金粉がおめでたさを演出します。

「常連のお客様は、干支のお茶を毎年楽しみにしていらっしゃいます。ご自宅用と1080円とお手頃なので贈り物にたくさんお買い求めになる方も。かわいいだけじゃなく美味しいのでおすすめです」。

これも日本茶? 進化する「フレーバー・ジャパニーズティー」

「コーヒーほうじ茶」「葡萄(ぶどう)の緑茶」(各648円)…正直、なんのこっちゃ?と不気味です。が、和子さんは「日本茶に苦手意識を持つ方にもおいしいく味わっていただけるお茶としておすすめです」と話します。

私の知っている日本茶は、幼少時代に祖母が淹れてくれたお茶の記憶なのですが、なぜか飲むと余計に喉が渇き、苦い、渋いのイメージが強く、苦手意識がありました。

「そうおっしゃる方、本当に多いんですよ。でも最近の日本茶は品種改良が進んでいておいしくなっているんです。甘い味がお好みなら鹿児島産の八女茶などから飲んでみるといいですよ。きっと驚かれると思います」と、笑いながら和子さんは教えてくれました。

和子さんのお茶の知識、味覚のセンスは素晴らしく、甘いお茶を飲んでみたい、すっきりしたのを飲んでみたい、というぼんやりとした要望でもしっかりと汲み取って期待以上の味わいのお茶を提案してくれます。「バリスタ」ならぬ「茶リスタ」という日本茶のプロフェッショナルが台頭してきていますが、和子さんこそ真の茶リスタなのだと思います。

「お茶のせこざわ園」では試飲もできます。和子さんと楽しい会話を楽しむ気持ちでぜひ気軽に尋ねてみてくださいね。

店舗概要
お茶のせこざわ園
住所:茨城県土浦市大和町7-22
電話番号:029-821-0228
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜日(年末年始は休み)
駐車場:なし

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

コイケケイコの最近の記事