日本の7~9月期のGDPはかろうじてプラスに
内閣府が14日に発表した2019年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.1%増、年率換算で0.2%増となった。4四半期連続のプラス成長となったものの、伸び率は予想を大きく下回った。
個人消費は前期比で0.4%増え、2四半期連続のプラスとなったが、これは10月からスタートした消費増税前の駆け込み需要による影響が大きいとみられる。設備投資は0.9%増となり、4~6月期の0.7%増から伸びていた。
輸出は0.7%減となり2四半期ぶりに減少した。中国向けを中心にアジア向け輸出が弱かったこともあるが、サービスの輸出に算入される訪日外国人の国内消費が日韓関係の悪化などで減ったことも影響か。
ただし、観光庁のサイトにアップされている訪日外国人消費動向調査でみると、2019年4~6月期は前年同期比13.0%増の1兆2810億円、そして7~9月期は前年同期比9.0%増の1兆2000億円となっており、それほど落ち込んではいなかった。ちなみにこのうち韓国は4~6月期は1227億円、7~9月期は915億円となっていた。
7~9月期GDPは消費増税前の駆け込み需要が発生して個人消費を押し上げたものの、米中の貿易摩擦などによる世界経済減速で、伸び悩んだ輸出の減少が相殺した格好となった。
10月以降は消費増税の影響もあってマイナス成長に落ち込み、その後は回復基調になるとの予想となっているが、これも米中の通商協議の行方に影響を受けそうである。
総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期比プラス0.6%。輸入品目の動きを除いた国内需要デフレーターは同0.2%のプラスとなっていた。