2万人の調査で判明! 子どもを幸せにするために親がすべきこととは?
子育て中の親御さんは、誰でもみんな子どもを幸せにしたいと考えているはずです。
では、どうしたら子どもを幸せにしてあげることができるのでしょうか?
このテーマについて考える上でとても参考になる研究があります。
それは、神戸大学の西村和雄特命教授と同志社大学の八木匡教授による研究です。
この研究は日本全国の20歳以上70歳未満の男女を対象に行われました。
対象人数は約2万人ということで、極めて大規模な研究といえます。
研究では所得、学歴、自己決定、健康、人間関係の5つについて幸福感との相関関係ついて分析を行いました。
その結果、健康や人間関係は幸福感を左右する大きな要因であることがわかりました。
でも、これは一般的に当然と思われるものであり意外性はありませんでした。
この研究が世間の大きな注目を浴びたのは、ある意外なことがわかったからです。
それは、所得や学歴より自己決定の度合いの方が幸福感に影響を与えるということです。
つまり、「中学から高校への進学」「高校から大学への進学」「初めての就職」などにおいて自分の意思で決めてきたと感じている人たちが幸福感が高かったのです。
わかりやすくいえば、学歴や所得が高くなっても自分の人生を自分で決めて歩んできたという実感が持てないままだと、いまひとつ幸福感を感じられなくなるということです。
世間には、学歴・収入・地位などは高いけれど成長過程で自己決定の度合いが少なかった人はたくさんいます。
例えば、進学先や仕事の選択において親の強い意向に従ってきたなどです。
そういう人たちの中には、何か満たされない気持ちを抱えている人がたくさんいます。
つまり、「これでよかったんだろうか?もっと別の人生があったのではないか」などともやもやしているのです。
その結果30代後半になって超有名な商事会社を退職し、未知の土地に移住して自分探しを始めた人もいます。
ですから、子どもを幸せにしたいなら、趣味も習い事も部活も進路も含めて何事も子どもの意思を尊重したほうがいいです。
何を選ぶかよりも誰が決めるかが大事なのです。
「子どものため」「子どもの将来のため」と言って親が押しつけるのは、不幸の始まりといっていいでしょう。
もちろん親と子どもの考えが違うとき、親の考えを子どもに伝えて親子で民主的な話し合いをするのはとてもいいことだと思います。
言い換えると、上下の関係ではなく一人の人間同士としてリスペクトしながらの対話です。
それによって子どもが得るものもあるでしょう。
でも、最終決定は子どもの意思を尊重すべきです。
なぜなら、子どもの人生は子どものものだからです。
親の過干渉は子どもの人生の搾取です。
親は監督ではなく応援団に徹しましょう。