蒼井優の第8回までセリフを発してないとは思えぬ存在感 #ブギウギ #朝ドラ
朝ドラこと連続テレビ小説「ブギウギ」(NHK)では「エンタメの力を改めて提示する」とチーフ演出の福井充広さんは意気込む。笠置シヅ子をモデルにした福来スズ子(趣里)が、大阪の梅丸少女歌劇団(USK)での活動を経て上京し、歌手として活躍をはじめ、服部良一をモデルにした羽鳥善一(草彅剛)と出会い、“ブギの女王”としてスター街道を駆け上がってゆく物語だ。
第2週では、USKに入団し、福来スズ子と芸名をつけた花田鈴子(子役:澤井梨丘)が初舞台を踏む。第1話のステージシーンもズキズキワクワクしたし、第2週も華やかなレビューショーで盛り上がる。
第2週の演出を担当した泉並敬眞さんはこう語る。
「NHK大阪ホールを使用して撮影しています。ショーの撮影がはじまると、NHK大阪のいろいろな人たちが見に来るんです。完成度が高いから面白いんですよね」
この完成度の高いショーがほぼ毎週1回は見られる予定だ。
「今回の目玉は、だいたい各週に1回はショーパートを設けていることです。そのため、本職の、舞台演出家・荻田浩一さんにショーパートの構成と演出をお願いしました。荻田さんは、かつて笠置シヅ子さんが在籍していたOSK日本歌劇団の演出も手掛けているかたです。荻田さんは『僕はショーを作ります。あとはみなさんが、ドラマ的に好きに撮影してください』というスタンスで、独立した作品のようにショーを毎週毎週作ってくれています。ゲネ(リハーサル)も行って、本格的にやっています」
OSKが全面協力で、USK男役トップスター・橘アオイ役は、OSK の現役スター・翼和希が演じている。OSKからは30人もの劇団員が参加して、ショーの精度を高めていて本格的。衣裳も華やかで見応えがある。
「ショーのあらすじを僕たちが考えると、荻田さんがスケッチを描いてくれて、資料を集めて、衣裳スタッフに渡して作っています。オリジナルもあれば、過去に実際にあった作品の再現もあって。『胡蝶の舞』は実際に松竹歌劇団で上演されていた当時の参考写真を元に作っているものです」
さらに、踊りのレッスンの先生もプロを起用している。
「バレエの先生役のかたは、ウクライナ国立バレエ団の先生で、短い場面ながら、レッスンシーンにリアリティーがあります。ウクライナから、今、日本に避難しているかたです。実はドラマで描かれている時代も、ロシア革命で日本に避難してきたロシアの方々が、実際に松竹歌劇団で指導されていたという話を聞きました。どこか今の時代と重なるようでもありますよね」
本番のショーからレッスン、準備まで、とことんこだわって作っている。「華やかなショーとその裏の汗と涙も表現したい」と泉並さん。
ほぼ毎週毎週ショーを作るということは、すごく大変ではないか?と聞くと、うんうん、と大きくうなづいた。
「ドラマと舞台、両方やっているような、もう1本別の作品を作る勢いです」
そのショーの中心でひときわ輝くのは、トップスター大和礼子役の蒼井優。
「大和礼子は、鈴子の永遠の憧れの人になります。無理を承知で蒼井優さんにオファーしたら、快諾いただけて。第2週、水曜(第8回)まで一言もセリフを話さないにもかかわらず、ずっと前から声を聞いたことのあるような存在感がありました」
蒼井優は出産後、はじめてのドラマ出演になる。
「やりたい気持ちと、力を出しきれるかという葛藤があったらしいが、挑戦してくれてよかった」と福岡利武チーフプロデューサー。
「年明けくらいから東京で毎週稽古されて、振り付けの木下菜津子さん紹介のバレエの先生に時間が許す限り習っていました。御本人も歌劇が好きで楽しんでやってくれています」と泉並さん。
「圧倒的な存在感。映画女優だからか、ワンショットの力が違う。どんなシーンでもオーラを放っている」と福井さんは絶賛する。
大和礼子に憧れるヒロイン鈴子を演じる趣里も、第1回の冒頭で、堂々と歌い踊っていた。
「もともとイギリスに留学してプロのバレリーナを目指していたくらいですから、しなやかさやリズム感がスズ子役にぴったり。歌は未知数でしたが、22年の11月くらいからボイストレーナーについて稽古を積み、仕上がってきています。伸びしろがすごいです」と福井さん。
憧れの先輩・大和礼子に追いつけ追い越せ、スズ子の活躍がはじまる。
【放送】
総合【毎週月曜~土曜】 午前8時~8時15分 *土曜は一週間を振り返ります
BSプレミアム【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分
BS4K【毎週月曜~金曜】午前7時30分~7時45分
【作】足立紳 櫻井剛 <オリジナル作品>
【音楽】服部隆之
【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
【出演】趣里 水上恒司 / 草彅剛 蒼井優 菊地凛子 小雪 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか
【概要】大阪の下町の小さな銭湯の看板娘・花田鈴子(趣里)は歌や踊りが大好きで、道頓堀に新しくできた歌劇団に入団し活躍後、上京。そこで、人気作曲家・羽鳥善一(草彅剛)と出会い、歌手の道を歩みだす。“ブギの女王”と呼ばれた人気歌手・笠置シヅ子をモデルにした、大スター歌手への階段を駆け上がる物語。