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プーホルスは「左投手から200本塁打」と「右投手から500本塁打」。全体の28.6%が対左は多い!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)Sep 23, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月23日、アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)は、左投手と右投手からホームランを1本ずつ打ち、史上4人目の700本塁打に到達した。

 また、この試合のホームランは、対左の200本目と対右の500本目となった。対左右のいずれも200本塁打以上は、プーホルスが5人目だ。その前の4人については、今月中旬に「右投手からも左投手からも200本塁打以上は4人。プーホルスは対右が498本、対左は199本」で書いた。

 プーホルスの700本塁打は、対左が28.6%、対右は71.4%だ。通算本塁打のトップ3は、762本塁打のバリー・ボンズが29.8%と70.2%(227本と535本)、755本塁打のハンク・アーロンが29.3%と70.7%(221本と534本)、714本塁打のベーブ・ルースは30.1%と69.9%(215本と499本)なので、対左右の割合は、プーホルスとそう変わらない。大雑把に言えば、4人とも、割合は3:7となる。ボンズとルースは左打者、アーロンとプーホルスは右打者だ。

 ただ、400本塁打以上の57人に範囲を広げると、割合が3:7から大きく外れる選手もいる。

 対左の割合が最も高い――対右の割合が最も低い――のは、465本塁打の右打者、デーブ・ウィンフィールドだ。39.4%の183本塁打を左投手、60.6%の282本塁打を右投手から打った。ウィンフィールドは、左投手と対戦する割合が極めて高かったわけではない。対左の3454打数(4001打席)は、全体の31.4%(32.4%)だ。ホームランのペースは、対左が18.9打数/本、対右は26.8打数/本。57人中、通算本塁打の35%以上が対左は、ウィンフィールドしかいない。

 一方、ウィンフィールドとは反対に、対左の割合が最も低いのは、407本塁打の左打者、デューク・スナイダーだ。対左が8.1%の33本、対右は91.9%の374本。こちらは、左投手との対戦が少なく、1042打数(1170打席)は全体の14.6%(14.2%)だが、ホームランの割合はさらに低い。対左が10%未満は、スナイダーだけだ。

 通算本塁打に占める、対左の割合が20%未満は、以下のとおり。当然かもしれないが、スナイダーをはじめ、8人中7人は左打者だ。

筆者作成
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ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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