ツインリンクもてぎでカート7時間耐久!「K-TAI」に参戦してみた!
8月1日に栃木県のツインリンクもてぎで行われたカート7時間耐久レース「K-TAI」に参戦してきました。カートで4輪フルコースを走行、カートで7時間耐久という他にはないオリジナリティ溢れるこの参加型モータスポーツの参戦レポートをお届けします。
文・西川昇吾/写真・クラブレーシング
K-TAIとは?
K-TAIは2001年から毎年夏に栃木県のツインリンクもてぎで行われているカートでの7時間耐久レース。カートは最も単純な自動車とも言える乗り物で、パイプフレームにエンジンやブレーキ、シートを載せタイヤを取り付けた小さな競技用車両です。現在活躍している多くのレーシングドライバーはこのカートで幼少期にレースデビューし、レーシングドライバーとしてのキャリアを始めました。
そのため日本はもちろん世界でカートのレースが行われており、そのカテゴリーはプロを目指すヤングドライバーたちがしのぎを削るものから、レンタルカートでレースを「楽しむ」ことに重点を置いたものまで様々です。このK-TAIは楽しむことに重点を置いたカテゴリー。複数のドライバーでバトンを繋ぎ、7時間後のゴールを目指します。レースなので順位ありますが、スタート順はくじ引き、最終総合順位も同一周回は同着というルールとなっています。
クラスは速い順に以下の4つに分けられています。
クラスⅠ…300ccのスポーツカート用エンジン搭載
クラスⅡ…270エンジン搭載
クラスⅢ…200エンジン搭載
クラスE…電気モーターとバッテリーで走るEVカート
今回筆者は最も参加台数の多いクラスⅡにエントリー。
K-TAIは他に類を見ないレース
カートでの走行経験は多くありますが、レーシングカーが走るために作られたレーシングコースを走るのは初めて。通常カートを走らせる場合、長くても全長1ほどのコースですが、ツインリンクもてぎのロードコースの全長は約4.8km。コースを走っているというよりは滑走路を走っているような気分です。
また、カートで7時間走るというレースもそうそうありません。長時間の耐久レースで重要なのは長い時間ストップしないこと。コースアウトをした場合は復帰まで時間を取ってしまいますし、マシンにダメージがあるアクシデントに巻き込まれてしまったら、長い時間ピットで修復作業をするか、場合によっては完走を諦めてリタイアするという結果になってしまいます。そうすると走っていない間に他のチームはどんどん周回数を重ねてしまいますし、なにより、チームの他のドライバーに申し訳ないです。長い時間を走る耐久レースだからこそ目の前の1秒よりも、大きなロスをせずに走り切ることが重要なのです。
2021年の参加台数はなんと95台!それだけにコース上では他の遅いマシンを上手く抜くことはもちろん、上手く抜かれる技術も必要になってきます。普通のカートにはミラーが付いていないことも多いですが、K-TAI参戦マシンにはミラーが付いているので、ミラーを確認しながら上のクラスなどの速いマシンが来たら上手くラインを譲ることも必要です。
もしも接触してしまったら、大きなロスタイムとなってしまうことはもちろん、場合によっては大きなケガをしてしまいます。レースだからといってただやみくもに速く走ればいいという訳ではないのです。ルールとマナーを守る気持ちがそれぞれのドライバーにあるからこそ、レースは成り立っているのです。
筆者が参加したチームは終盤キルスイッチが取れてしまうというトラブルに見舞われたものの、応急処置でカバー。大きなマシントラブルやアクシデントもなく7時間をしっかりと走り切ることができました。
順位は決して上の方ではないですが、7時間の耐久レースをしっかりと走り切る。この時得られた達成感が参加型モータスポーツでは大きな価値があるのです。
取材協力
本田技研工業株式会社
株式会社ホンダファイナンス
株式会社モビリティランド
https://www.mobilityland.co.jp/
関彰商事株式会社
横浜ゴム株式会社
株式会社ホクビー
有限会社ケイズカンパニー