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メルセデスベンツの定番モデルCクラスを試乗チェック!

西川昇吾自動車ライター/自動車系MC

長らく輸入車の定番モデルとして位置しているCクラス。日本市場では昨年現行型にフルモデルチェンジしエントリーグレードでも650万円するという価格が話題となりました。しかし、現行Cクラスに対する評価も高く、価格に対して納得する声も見られます。色々と話題のCクラスですが、やはり定番モデルの新型をチェックしないわけにはいきません。街乗りから高速道路、ワインディングに至るまであらゆるシチュエーションでCクラスをチェックしてみました。

文・写真:西川昇吾

ディーゼル感の少なさに驚き

今回試乗したのは220dアバンギャルド。2.0Lの4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載しているモデルです。日本市場では現在2種類の1.5Lターボと今回試乗した2.0Lディーゼルターボの3つのパワートレインが用意されています。

乗り出しから驚いたのは「ディーゼル感」の少なさ。近年のディーゼル車は昔の印象からは想像がつかないほど静かで振動が少ないものになっています。それはもはや当たり前となっていますが、Cクラスは近年のディーゼル車の中でも驚いてしまうほどに静かで振動が少ないと感じました。聞こえてくる音そのものはディーゼルなのに、ディーゼルの短所と言われるフィーリングが少ないとなんだか不思議な印象を受けます。

また、このディーゼル感の少なさにはトランスミッションも貢献していると感じました。Cクラスに採用されている9速ATはシフトショックが少なく、変速タイミングに気が付きにくいほどシームレスに変速してくれます。多段で走行状況やドライバーからのコントロールが変化しなければ一定範囲の回転数を保ってくれているのも、シームレスさに繋がっているのでしょう。下手なガソリンエンジンよりも振動や騒音に関しては優れていると感じます。

足回りは想像以上に柔らかめ

街乗りの低速域からワインディング、高速道路まで走行して一貫した印象を抱いたのは足回りが想像以上にフワフワとしているということ。街乗りで乗り始めた第一印象から柔らかいと感じていましたが、それは走行シチュエーションが変わっても同じです。スポーツモードなども試してみましたが、ドイツ車としては驚くほど柔らかめ。これは好き嫌いが分かれる足回りだと思います。乗り心地自体は良いのですが、路面の凸凹など縦の入力に対して、1発で収束せず少しより戻しがあるかなといった印象を抱くほど柔らかいです。運転の楽しさを大きく感じたり、「その気にさせる」と言った部類の足回りではないのは間違いないです。ただワインディングではロールが大きすぎて不快というレベルではないです。確かにロールは大きいですが、しっかりとした接地感が感じられ高い安心感を持って走ることができます。

高速巡行は得意の得意

高速道路ではドイツ車の本領発揮といったところ。新東名を120キロで巡行すると、回転数は2000rpmも回らず非常に静か。燃費も20.0KM/Lを優に超え、メーターの航続可能距離は1300キロを超えます。日本のようなストップアンドゴーが多い交通事情ならばマッチしていると感じませんが、高速道路を走るとヨーロッパのディーゼルは高速での長距離では本当に優れていると改めて実感させられます。

シートは好みが分かれそう

長時間運転していると、運転支援システムも充実していて振動騒音も少ないため概ね不満に思うところは少なく思います。しかし、筆者が個人的に満足いかなかったのがシートです。個人の好き嫌いの部分が大きいかもしれませんが、全体的にシートが張っていて固く感じられ、サポートも張り出し具合が中途半端で変に引っかかりを感じられて、全体的に違和感を抱きながら座るといった具合でした。

あらゆるシチュエーションでCクラスを試乗してみましたが、シートの好みが合えば高速での長距離移動の多い人に胸を張って勧めることができる選択肢だと言えます。ディーゼルのネガティブな部分を小さくし、ポジティブな部分を大きく引き伸ばした…そんなイメージを強く思わせた1台でした。

自動車ライター/自動車系MC

こう見えても1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。現在は、新車情報はもちろん、自動車に関するアイテムや文化、イベントの取材記事も手掛けるほか、車両紹介動画やe-MotorsportsイベントMCを中心に自動車系MCとしても活動中。自動車が好きな1番の理由は「工業製品として個性が豊富なこと」そのため古い車も新しい車もどちらも大好き!愛車はマツダロードスター(ABS無)で、定期的に愛車でサーキット走行をし、ドライビングの鍛錬も忘れない。「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」目指して奮闘中!

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