バイトテロ「バカッター」は相次いでいるわけではない。過去の動画が掘り起こされている
すき家、くら寿司、ビッグエコー、バーミヤンといわゆる「バイトテロ」と呼ばれている不適切動画の投稿が話題となっていますが、じつは連続して発生しているわけではありません。
これらはすき家とくら寿司の事件を発端に、過去の動画が「いま拡散すれば炎上する」と掘り起こされているのです。
以下に筆者が調べた動画が投稿された日と炎上日をまとめました。
すき家(投稿:1月21日→炎上:1月29日)
まずはこの話題の発端となったすき家の不適切動画です。
この動画は「くびかくご」とのメッセージ付きでインスタグラム内のストーリーズに投稿されました。
ストーリーズは投稿から24時間後にコンテンツが消える仕組みとなっており、投稿者はまずいとは思いつつも「24時間以内に消えるから大丈夫だろう」という安易な気持ちで投稿したものと思われます。
実際、インスタグラムでの投稿が1月21日なのに対し、Twitterに転載された1月29日までは炎上は起きていない状態でした。
くら寿司(投稿:2月4日→炎上:2月5日)
すき家のバイトテロ動画を見て真似したと思われる案件が、くら寿司の不適切動画です。
こちらは「き○がいではないって。(伏せ字は筆者編集)」のメッセージ付きで、すき家のときと同じくインスタグラム内のストーリーズに投稿されました。
すでにすき家の件で世間の注目が集まっており、くら寿司の不適切動画は投稿からわずか1日で炎上状態となりました。
投稿直後から話題になっており、同日炎上とみなしても良いレベルです。
ビッグエコー(投稿:2018年12月6日→炎上:2019年2月7日)
そして「バイトテロが相次いでいる」と見られてしまったのがビッグエコーの不適切動画です。
ビッグエコーのお詫びにも記載されていましたが、問題の動画は去年の12月6日に(おそらくはYouTubeに)投稿されていたものです。
そのときにもビッグエコーはお詫びを発表しています。
つまり、ビッグエコーは1度謝っているにもかかわらず、同じことで再び謝らされているのです。
警察への被害届も去年提出しており、今回の炎上については完全に被害者だと言えます。
バーミヤン(投稿:2018年4月21日→炎上:2019年2月9日)
最後にバーミヤンの不適切動画です。いきなり投稿されたため経緯が不明でしたが、Twitterに掲載(転載)した方に話を伺うことができました。
バーミヤンのお詫びでは去年3月ごろに撮影(投稿)したものであると書かれていましたが、提供して頂いた情報からは2018年4月21日の午前1時30分ごろに投稿したものと確認できました。
Twitterに掲載した方は当初はお蔵入りにしておくつもりだったそうですが、不適切動画が世間を騒がしているいまであれば、(公開することで)SNSへの危機管理に対する関心が高まると思い保存していた動画を掲載したとのことです。
くら寿司の法的措置発表は抑止力になっている
ビッグエコー、バーミヤンと不適切動画の投稿が続いているように見えたため、「くら寿司の法的措置発表も抑止力になっていなかった」との意見も一部ではありました。
しかし、くら寿司の発表後もあえて挑戦する人はほとんど見かけません(ファミリーマートの店員が商品を舐める動画と、同社の店員らしき人物がつくねを投げて遊ぶ動画は発表後の投稿と思われます)。
いま話題になっているものの多くは過去に投稿したものが掘り起こされている状態であり、くら寿司の法的措置はある程度の抑止力になっていると思われます。