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今夜は「スーパーハンターズムーン」なぜ大きい?名前の由来は??月の出る時間と方角は:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

1年でもっとも月が大きく見える満月、「スーパームーン」がやってきました。
もともと10月の満月のことを「ハンターズムーン」とも呼ぶことがあるため、今年2024年は「スーパーハンターズムーン」に。

さらに満月の逆側には紫金山・アトラス彗星が見える可能性があり、今年のスーパームーンは見どころ満載です。

今日10月17日の月が出る時間帯や方角も含め、気象予報士・星空準案内人の筆者が解説します。

なぜ大きい?どのくらい大きい??「スーパームーン」

2024年にもっとも地球に近づく満月と、もっとも遠ざかる満月の比較(クレジット:国立天文台)。
2024年にもっとも地球に近づく満月と、もっとも遠ざかる満月の比較(クレジット:国立天文台)。

月は地球の周りを円を描きながら回っていますが、実はその軌道は完全な円ではなく、微妙にゆがんでいて楕円になっています。
そのため、地球からの距離が一定ではなく少しだけ近いときと遠いときがあり、近いときには月が大きく見え、遠いときには小さく見えます。

このうち、近くて大きく見えるタイミングのことを俗に「スーパームーン」と呼んでいますが、専門用語ではないため定義がハッキリせず、インターネットで「スーパームーン」と調べると、9月だと書いているサイトも10月だと書いているサイトもある状態です。

この記事では国立天文台のホームページを基準に書いていますが、それによると今年2024年のスーパームーン(10月17日の満月)は、今年一番小さく見える満月と比べると、見た目の直径が約14%大きいとのこと。
地球と月との距離は約5万km近くなっています。

「月の出」の時間・方角は?天気は?

10月の満月の動き方(筆者作成)。
10月の満月の動き方(筆者作成)。

秋の満月は、実は非常に観測しやすい満月です。
というのも、日没とほぼ同時に東の地平線から出てきて、夜明けの少し前に西の地平線に沈むため、ほとんど一晩中、空のどこかに満月がある状態になります。

都市部では月の出直後にはやや見えづらいかもしれないため、月の高度が上がってくる21時頃に南東の方角を見るのがおすすめです。

17日夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
17日夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

17日の夜は、沖縄と、日本海側や北日本では晴れる所が多く、満月が探しやすいと思いますが、関東から西の太平洋側や奄美では雲が多く、一部で雨が降る見通し。
ただ、満月は相当明るいので(1等星の12万倍明るい)、空が曇っているように見えても見つけられることがあります。関東や東海でも、ぜひ空を見上げてみてください。

なぜ「ハーベストムーン」?誰が言い出したの??

ネイティブアメリカンによる月ごとの満月の呼び名(筆者作成)。9月と10月は年によっては※印の呼び名に変わることがある。
ネイティブアメリカンによる月ごとの満月の呼び名(筆者作成)。9月と10月は年によっては※印の呼び名に変わることがある。

月ごとの満月について様々な「〇〇ムーン」という呼び名を聞いたことがある人もいるのでは。
これは、ネイティブアメリカンが名付けたとされる呼び方で、1月から12月まで、それぞれの季節に現れる生き物や収穫物の名前にちなんでつけられています。

これによると、10月はハンターズムーン。
ちなみに、年によっては満月の日付がずれてハーベストムーンになることもあるのですが、今年2024年は上図の通り9月がハーベストムーンになったので、10月はハンターズムーンのままです。

紫金山・アトラス彗星は月と反対側

紫金山・アトラス彗星の見える位置と時間帯(クレジット:国立天文台)。
紫金山・アトラス彗星の見える位置と時間帯(クレジット:国立天文台)。

今回、月が出てくるのとほぼ同時刻に、月と反対側の西の空には、紫金山・アトラス彗星が見える可能性があります。
紫金山・アトラス彗星の名前の由来や何日まで見られるかなど詳しくはこちらの記事で解説していますが、たとえ肉眼で見えなくともスマホ(ナイトモード推奨)で西の空を撮ってみると映っていることがあるので、ぜひ試してみてくださいね。

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※本記事に掲載している国立天文台提供の画像は、国立天文台の規約を守って使用しています。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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