どんな時に「漠然とした不安」を感じる?感じた時の対処法について解説
こんにちは、精神科医しょうです。
人間関係、仕事、お金、恋愛、ダイエット…など、誰でも不安を抱えてしまうことはあるのではないでしょうか。
何とかして不安から逃れたいと思い、いろんなことを考えたり行動したりした結果、不安が解消することもあれば、さらに不安が強まってしまったということも…。
「不安との闘いこそ人生」だと言っても過言ではないのかもしれません。
特に特定の出来事や原因となっているものがあるわけではないのに、「漠然とした不安」が湧いてくる時は、心身が疲れている可能性がありますので、気晴らしや休息を取ることが求められます。
生きている限り、不安は誰にでも沸き起こるものですので、自分の性格や考え方のクセなどを考慮して、不安と上手に付き合っていくことが必要です。
今回の内容としては、「漠然とした不安」との付き合い方について考えてみたいと思います。
日常の中でどんな時に不安になる?
日常生活を送る中で、ふと漠然とした不安に陥ることがあるかと思うのですが、みなさんはどんな時に不安を感じることが多いでしょうか?
何となく不安を感じてしまいやすいシチュエーションを、いくつか紹介したいと思います。
・がみがみ言われた時
ゆっくりと丁寧に話してほしいのに、威圧的な態度で早口に頭ごなしに自分の思いを口走る人がいます。
そんな「がみがみ」と言ってくる人に圧倒されてしまうと、「自分が悪いのかなぁ…」と不安になってしまうことがあります。
がみがみと言われている最中は、とても冷静な気持ちではおられず、思考はストップし何もかもがパニック状態であることもしばしば…。
特に幼い子どもの場合は、伝えている内容よりも音声や表情で理解するため、親が感情的に注意すると、声や表情におびえ、その結果、理由もわからないまま不安感情だけを育てていくことになります。
・自分のためにお金や時間を使った時
毎日、忙しく過ごしている人が休憩を取った時に「こんなにゆっくりしていて良いのだろうか…」「他にもっと大切なことをやり忘れていないかなぁ…」と不安を感じてしまうことがあります。
また、家族や大切な人を優先する傾向がある人も、自分のためにお金を使うことに対して、「本当に必要なのだろうか…」「自分なんかに費やすなんて申し訳ない」などと、罪悪感を抱く傾向があります。
つまり、普段から自分のために時間やお金を使っていない人は、「自由」を手に入れた時にどうしたら良いのかわからなくなり、戸惑う傾向があります。
実は、多くの方が自由を得たり、望みが叶ったりする場面で、倦怠や不安を感じたりし、うつ傾向になることも珍しくないようです。
・相手から連絡がこない時
「メールの返信が遅い、なかなか来ない」と不安になる人は多いのではないでしょうか。
LINEなどで「既読」が付いているのに返信が来ないとそわそわし、嫌われたのではないか?などと、考え出したりする人も多いようです。
しかし、大抵の場合において相手が忙しかったため、返信しそびれていたということがほとんどではないでしょうか。
・仕事で失敗してしまった時
仕事で失敗すると誰でも落ち込み、これまでやってきたことに対しても不安になりますよね。
「こんなことで失敗する自分は最低だ」「もう信用してもらえないかもしれない」などと、絶望的な考えに浸ってしまうことも…。
しかし、自分だけを責めるのはあまり良い反省方法ではないかと思います。
失敗の質や種類にもよるかと思いますが、自分一人の責任ではないことが多くあります。
周囲のサポートやシステムなど環境的な面も大きく影響していますので、失敗したことに対して自分だけの問題として抱え込み過ぎないようにしましょう。
・未来を思う時
「未来志向の考え方」というと、とても前向きな気がしますが、見えない未来をひたすら思って、不安を抱えてしまうことは心身ともにつらい状態に自分を追い込んでしまいます。
「時間が解決する」とよく言いますが、大抵の場合、時が経てば何ごとも上手く行きだすということがあります。
つまり「待つ」姿勢も大切ではないでしょうか。
漠然とした不安を感じた時の対処法
ここからは、実際に漠然とした不安を感じた時の対処法について考えてみたいと思います。
何もしていないのに、不安を感じるという状況は、その人の性格や気質も影響しているかもしれませんが、心身が疲労を感じている状態だと言えますので、まずは自分に合った方法で心身を解放することが求められます。
・体調日記をつける
その時々の気分にムラがある場合は、記録を取っておくと、医療機関を受診する際に役立つかと思います。
どのような不安を感じているのか?不安対象はあるのか?何に思い悩んでいるのか?など、その時の気持ちを記録しましょう。
・1日3分の瞑想をする
瞑想は「今」に集中することが大切です。
実体のない不安、イライラ、怒り、悲しみを切り離すことができ、自分の心と体に向き合うことができ、リラックス効果が高まります。
まとめ
不安を感じる場所や場面は人それぞれかと思います。
不安を感じやすい傾向がある方は、どのような時に不安を感じてつらくなりやすいのか把握することで、対処について考えてみると良いかもしれません。
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