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OPBF王座を返上したIBFライト級13位が、今日オーストラリアに飛ぶ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
写真:山口裕朗

 OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王座を4度防衛し、ライト級に転向した三代大訓。

 2020年12月26日、ライト級初陣では、元WBOスーパーフェザー級チャンピオンの伊藤雅雪を判定で下した。そして昨年12月2日に、元日本ライト級チャンプ、西谷和宏を6ラウンドでストップ。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20211209-00271342

 61.2キロのライト級で上を目指す三代は、来る5月11日にオーストラリアでフランシスコ・チュア戦を迎える。

IBF13位の三代大訓は間もなくオーストラリアに飛ぶ 写真:山口裕朗
IBF13位の三代大訓は間もなくオーストラリアに飛ぶ 写真:山口裕朗

 三代は語る。

 「チュアは11戦8勝(3KO)2敗1分けのサウスポーです。170センチあるかないかで背は低いのですが、腕が長いですね。プロでサウスポーと対戦するのは初めてですが、アマ時代には何度もやっていますし、苦手意識はありません。どちらかというと得意です」

 彼は日本時間5日の便で渡豪する。

 「いい感じに仕上げました。スパーはトータルで100ラウンドいかないくらいですかね。緑ジムの力石政法が名古屋から来てくれて、内容のある練習になりました」

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 その三代は、4月7日に行われた吉野修一郎vs.伊藤雅雪戦に注目していた。村田諒太vs.GGGの前座として組まれたカードである。

 「凄い舞台でしたね。自宅でアマゾンプライムを見ているのが悔しかったです。伊藤選手には勝っていますし……誰が悪いということはなく、自分の力不足を感じました。

 吉野選手が勝つだろうと思っていましたが、パワーでの勝負ではなく、組み立てが良かったですね。ディフェンスにリズムもありましたし、ガードを上げてのフェイントが効果的でした」

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 OPBF東洋太平洋、WBOアジア・パシフィックと2本のライト級タイトルが懸かった同ファイトは、11回2分6秒、3-0負傷判定勝利で吉野が防衛を果たした。

 「伊藤選手は、もっと距離をとると予想していました。全てを出し切ろう、後悔しないように戦おうという彼の意志を見た気がします。真っ向勝負でしたね。ただ、勝負を決めるまでにはいかなかった…」

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 同じライト級の世界ランカーである吉野について、三代は言った。

 「やってみたいですね。ぶっ倒すとか圧倒するというのではなく、戦略で上回れるかな、という思いがあります。チャンスがあれば戦いますし、他の世界ランカーともやりたいです」

写真:山口裕朗
写真:山口裕朗

 「オーストラリアでも、自分のボクシングを貫きます。僕のスタイルは暴力的ではないし、爆発力も無いですが、いつも通り、緻密に繊細に戦って勝ちますよ。現地のお客さんに、喜ばれるといいのですが」

 IBFライト級13位、WBO同級15位の三代は、更なる飛躍を誓って機上の人となる。オーストラリアでの健闘を期待したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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