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ウクライナ軍、ロシア軍の侵攻後から装甲戦闘車7000台破壊:多くがドローンで破壊

佐藤仁学術研究員・著述家
首都キーウ中心部にロシア軍の戦車陳列(2022年8月)(写真:ロイター/アフロ)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ウクライナ軍では2022年2月24日にロシア軍に侵攻されてから殺害したロシア軍の兵士の数、破壊した戦車、戦闘機など兵器の数をほぼ毎日公表している。

ウクライナ軍によると2022年2月24日から2023年4月5日までの約14か月でロシア軍の装甲戦闘車両7000台を破壊したことを発表した。2022年12月25日に6000台を破壊していたので、約3か月で1000台の装甲戦闘車両を破壊している。

ロシア軍の装甲戦闘車両の多くはウクライナ軍のミサイルやドローンで攻撃されて破壊されることが多い。小型民生品ドローンに搭載された爆弾を投下したりして、装甲戦闘車両を破壊している。

偵察監視ドローンが装甲戦闘車両を探知したら、ミサイルを撃ったり、攻撃ドローンで攻撃している。攻撃ドローンなら上空で装甲戦闘車両を探知したらすぐに攻撃したり、爆弾を投下することができる。装甲戦闘車両は上空からでも目立つのでドローンに探知されやすいし、大きいので攻撃もしやすい。ドローンで爆弾投下されたり、神風ドローンに突っ込まれると装甲戦闘車両はすぐに燃え上がる。ウクライナ軍では小型民生品ドローンに爆弾を搭載して、ロシア軍の戦車に投下している。また小型民生品ドローンに爆弾を装着してドローンごとロシア軍の戦車に突っ込んでいく、いわゆる神風ドローンも作って攻撃している。

ドローンに見つかって攻撃されることを察知したら、ロシア兵は上空からの攻撃を回避するために装甲戦闘車両や戦車だけを置いて逃げることが多い。そのような置き去りにされたロシア軍の装甲戦闘車両にもドローンで爆弾を投下して徹底的に破壊している。ロシア軍が戻って来ても戦車は再利用できなくなっている。

ドローンに搭載した爆弾の量によっては戦車や装甲戦闘車両を全壊することができない場合もある。だが一部を破壊するだけでも戦車や装甲戦闘車両を利用することができなくなるので効果がある。

ウクライナ軍ではドローンでロシア軍の装甲戦闘車両、戦車などを破壊した動画もよく公開して世界中にアピールしている。

▼7000台の装甲戦闘車両を破壊したことを報告するウクライナ軍の公式SNS

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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