洗剤って必要?洗剤と柔軟剤は混ぜてもいい?今更聞けないギモンを洗濯研究家が解説
洗濯研究家の平島 利恵です。
昭和の時代、二層式洗濯機をお使いだった方なら「洗剤」と「柔軟剤」はいつ入れるべきか、経験からご存知かもしれません。
でも、全自動洗濯機が当たり前の世代だと、洗濯機でスタートボタンを押した後、どう洗われるのかを知らない方も多いと思います。
今回は今更聞けない「洗濯の3つのギモン」を解説します。
ギモン1:洗剤は必ず入れるべき?
洋服には汗・皮脂、ホコリ・砂、メイク、食べこぼしなど様々な汚れがつきます。これらの汚れは、水で洗うだけでは落とし切ることができません
洗剤に含まれる成分が、洋服の繊維に入り込むことで、汚れを浮き上がらせて落とします。
洗剤を使い分けることが大切
汚れの種類や衣類の素材に合わせ、洗剤を使い分けると、より清潔かつ綺麗な洗い上がりになります。
ご自宅には、洗浄力の高い「普段着用(アルカリ性)洗剤」と衣類に負担の少ない「おしゃれ着用(中性)洗剤」の2種類を用意しておくのがおすすめです。
柔軟剤は使わなくても大丈夫
柔軟剤は、衣服を柔らかくし着心地良くするための仕上げ剤です。そのため、使わなくても問題ありません。
柔軟剤でコーティングすることで、吸水力が下がるため、バスタオルやマイクロファイバーには使用を控える方がよいでしょう。
着心地をよくしたいけれど香りが苦手な方は、無香料の柔軟剤を選びましょう。
ギモン2:洗剤と柔軟剤は一緒にいれてもいい?
洗剤と柔軟剤は役割が違うので、混ぜて使うとお互いの効果を発揮することができません。
市販されている「柔軟剤入り洗剤」は、汚れを落とすと同時に衣類を柔らかく仕上げるよう成分配合されているので、2つを混ぜて入れるのとは全く異なります。
洗剤は初めに投入される
洗剤は一番初めの洗いの水に投入され、洗剤入りの水で衣類を洗います。
柔軟剤はすすぎの最後の水に投入される
柔軟剤は、すすぎの一番最後の水に投入され、柔軟剤成分を残したまま脱水することで柔らかな肌触りに仕上がります。
柔軟剤使用時、必ず守ってほしい2つのこと
柔軟剤は、必ず計量し、すすぎ2回以上で使用します。
規定量以上の柔軟剤を使うと、洋服に余剰成分が蓄積する上、強すぎる香りが香害を招きます。すすぎ不足で洗剤が残った服に柔軟剤を使うと、柔軟効果が薄れ、汚れごとコーティングされることで、生乾き臭・黒ずみの原因になります。
洗剤と柔軟剤を入れ間違えたら?
洗濯前であれば洗剤・柔軟剤ケースを洗えば問題ありませんが、洗濯後の場合は洗い直しが必要です。
柔軟剤で洗い、洗剤ですすいでいるので、洋服には汚れも洗剤成分も残っています。残念ですが、必ず洗い直しましょう。
ギモン3:シミ・汚れがついたら漂白剤?
「衣類の汚れを落とす」という点では、柔軟剤と洗剤は同じような働きをしますが、汚れの落とし方が異なります。
洗剤は衣類の汚れを浮かせて落とすのに対し、"薬剤"である漂白剤は化学変化により汚れの色素・汚れ自体を分解します。
シミ抜きはまず洗剤から
シミ・汚れは、まず洗剤で浮かせて落とすが基本です。
洗濯をしても落とせない汚れがあれば、漂白剤で化学的に分解する方が、衣類への負担・色落ちリスクを減らすことができます。
汚れ・シミは洗濯前の前処理がカギ
シミや汚れに気付いた時は、なるべく早く(24時間以内)洗濯しましょう。
汚れには直接洗剤をつけます。洗剤の力で繊維から汚れを浮かせて落とすためです。
頑固な汚れは、優しくもむ or ブラシで叩いてから洗濯機に入れましょう。この一手間で、汚れ落ちの効果が格段に高まります。
「洗剤」「漂白剤」「柔軟剤」の役割を知り、正しく使いこなしましょう!